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香港国際学園〜外伝〜
官能リレー小説 - 学園物

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香港国際学園〜外伝〜 86

「ふむ…時間より三十分前に来るとは関心だな…」
教会の前にはモノクロにスーツの青年が待っていた。
「歌う賛美歌…」
「響く鐘…」
男の問いに応えた玄人。
ラミとユンハは自分に何かあれば逃げ出せと言い残して車の中で待たしてある。
「若いな。もっとよぼよぼの神父がやってくるかと思っていたのだがな…大阿門D玄人である…」
「スウェン=バーネットです。よろしく」
スウェンに求められた握手を一瞬の思慮の後、堅く握り返す。
「大丈夫ですよ。あなたの情報により私共が手を焼いていた組織が同時に二つ、殲滅できました。」
傍ら、葬送機関のメンバー。

「はい!しんぷさま!!」
二挺のレイブン小型拳銃を提げた、十歳前後の金髪ソバカス娘がニヤニヤ笑いながら『ハーイ先生』とばかりに挙手していた。

「どうしたブリジット君!?」
「ユリーがせんとうちゅうに、おもらししました!!」
「ぶぇえええ…ユリーもらしてないもん!もらしたのは『ユーリ』のときだもん!!」

ブリジットと呼ばれた少女の示す先、破砕用ハンマーを担いだ子豚体型の赤毛少女がわんわん泣きながら弁解していた…。

「スウェン殿…なんだアレは?」

「…神子です。近い将来、葬送機関の近衛に属する者達ですよ。それに…彼女達とあなたは同い年ですよ?」
「……八で………じゅ、十歳…か?」
「………えっ、ご自分の歳を忘れてたんですか?」
「いや、八つまでは数えてたのだがな。西暦に直さないといまいち……って十歳なのか!?」
玄人は泣き喚く少女(幼女)達を指差し、言った。
「ええ、二年後には中学、五年後には高校に入学予定です。」
「ふむ……」
品定めするようにスウェンを、少女達を眺める玄人。
(二人を預けても…安心……できよう。少なくとも我輩といるよりはな…)
「…スウェン殿、迷惑ついでに一つ、頼みがあるんだが…」
「?…なんでしょう?」
「我輩に二人、連れがいる。あのビルから助けたのだがな…一人は本部の連絡係でもう一人は能力兵士だ。葬送機関に引き取って貰いたい。頼む。」
「………組織員ではないのですか?」
「ああ…だが元々は親がいただけであるし、自分を見捨てる様な組織に属しているいわれなどはない。」
「そう…ですか。なら良いでしょう。それに我が方にも利がありますしね…」
「…ふむ。まぁ、本部の内側を良く知った人間がいれば進行も楽だな。それに…葬送機関と言えど訓練された能力者が十分いるわけではない。」
「ええ、その通りなのですが…お連れ様はそこで睨んでくる二人組みでよろしいのでしょうか?」
「っ!」
玄人はくるりと振り向くとラミとユンハはスウェンを睨んでいた。それはものすごい目で…。玄人に手を出したらブっとばしてやる的な意図が読み取れる。
「嫌よ!玄人君と一緒にいるもん!」
ユンハの叫びに葬送機関の子供達が静まる。

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