PiPi's World 投稿小説

香港国際学園〜外伝〜
官能リレー小説 - 学園物

の最初へ
 79
 81
の最後へ

香港国際学園〜外伝〜 81





玄人がアルマティに着いたのは、出発から十八時間後であった。
途中、町々で車を『親切な』若者達から貰い受け、休憩をせずに来たのだった。
そこからマティナルデンのアジトを見着け出すのは、簡単だった。民衆からの支持はあまり良くないようであり、数人からの聞込みですぐに所在が分かった。

玄人は改造され原型がすでに見られない軍用装甲車でアルマティ郊外のアジト、手前1kmで駐車する。
「ふぅむ…やはり腐っても宗教組織。高能力者が三十人余りか。一月前の我輩ならば諦めたであろう…しかし!」
見張りのチンピラ二人…浅黒い肌、一人はラテン系。
年上のアジア系がゴールデンバットに一服つけながら、肩に提げたウルティマックス100…ドラム付の汎用機銃をゆする。
「コイツを十丁ほど並べりゃ…俺ら『常人』でも一人ぐらいなら殺せるってよ…。」
「大げさだなァ生身の相手なら…コイツで十分っしょ?」
彼も裏街道では名の知れたヒットマン…二挺の安物リボルバー、ブルドッグ・44口径…確かに『マトモな相手なら十分』なソイツをガンスピンして見せる。
マグナム程の弾速はないが、防弾べストの上から内臓を潰す重量弾だ…。

腰の二刀、背中の一刀、そして懐の自動式拳銃を確認後、玄人は大地を強く蹴った。



「あ〜あ…いつまでこんなとこ、いんだろうな。俺達?」
「さあな。まぁ、美少女を心行くまで堪能できんだ。文句は言うめぇ…」
先程までラミを犯していた男達はテーブルを囲み、飲んでいた。すでに数本の空き瓶が見て取れる。
彼らも本編ならばBランクを超える能力者達なのだが、このような組織に属しているためか、性格が曲がっている。
「へへっ…あの嬢ちゃん、ラミったけか?最高だよな。世の中の女がみんな、あんな獣だったら良いのに…」
「知ってるか?香港によ、ファックとバトルの楽園みてえなハイスクールがあるって?」
「ケ…自分の名前も書けねぇ奴が何を…?」
と、コロナビールの空き瓶を『ハーシーズ・チョコレート』のコンテナに投げつけた。

「んだと、コラ!喧嘩、売ってんのかっ!?」
「くへへっ…こいよ、おめぇの能力はよく知ってんだよ!」
「いいねぇ。やれっやれっ!」
争い合う二人とはやし立てる取り巻き。




喧騒に紛れ、玄人はビル内を進んで行く。
(二、三階には居なかった。しかし、ラミは生きている。まぁ……生きているだけだがな。)
四階には組織員特有の嫌な感じはない。だが、能力者の気が漂っていた。
(…当たりだな。)
玄人は手前から順にドアを静かに開けていく。
左の四つ目のドアを開ける。

SNSでこの小説を紹介

学園物の他のリレー小説

こちらから小説を探す