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香港国際学園〜外伝〜
官能リレー小説 - 学園物

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香港国際学園〜外伝〜 9

その最中、一人の少年兵が現れた。
元々『ロイヤル・ハリビア』に所属していたその少年は何故か組織を裏切り、旧王国軍兵として戦場に立ち、旧王国軍の窮地を救った。
余りに強く、冷酷で、返り血を全身に浴びて戦うその姿から、いつしか、『ブラッディバーサーカー』(血まみれの狂戦士)と呼ばれ、敵味方から恐れられた。
その少年こそ、千三百年前の初代橘理人の名を受け継いだ、立花理人だった。

ハールーン王国、旧王国軍ベースキャンプ。
そこで、銃の手入れをしている老兵に一人の男が呆れ顔で話しかけた。
「また大活躍らしいぜ。B・Bのヤツ」
「別段、驚く事ではないな。今度のスコアは?」
「一人で戦車3台、歩兵六十人を全滅させたらしいぜ、やっぱ化け物だ。一緒にいるファントムとインビジブルは怖くないのかねぇ?」
「二人とも凄腕だし、年齢も同じだ。通じるものがあるのだろう」
そう言って、老兵は手入れを終えた銃を腰に戻す。
「誰なんですか?ファントムとかインビジブルとか?B・Bは流石に知ってますけど」
老兵の横にいた新兵らしい若者が怪訝そうな顔をする。
「新兵か?ファントムは通称だ。正式にはサイレントファントム、無音暗殺の達人だ。まだ十五歳だがな」
「インビジブルはその名の通り、一度も敵に姿を見せた事の無い凄腕スナイパー。話じゃ、離れた所に置いた三挺の狙撃銃を同時に扱える、超能力みたいなものがあるらしい」
老兵の説明に後ろの男が続く。
「そんな凄腕が……?」
「あぁ、そしてこの二人と一緒に行動するのが最強と名高いブラッディバーサーカー、通称B・Bって訳だ。見た感じはまだガキだがな。……っと帰ってきたぞぉ」
男が指さす先には、返り血で血まみれになった理人と日本刀を担いでいるファントムこと風堂剣護、PSG−1を担いだインビジブルこと一条瞳がいた。
まだ幼さを感じさせる顔付きではあるが、その目は鋭く冷たい。周りが彼を見る目も、仲間を見るそれとは違い、明らかな畏れがあった。
「相変わらず、冷たい奴らだな。労いの一言もかけられねぇのか?」
「ほっておけ、所詮俺は兵器だ。危険を感じるのは当然だろう」
「理人も相変わらずね。ちょっとは明るく喋れないの?」
「それは人間がすることだ。……剣護、瞳、俺は寄る所がある」
「あぁ、またリィナさんか?」
「本来なら行きたくもないが、顔を見せんと怒るからな。メスやら注射器を投げられるのは御免だ。」
そう言って、理人は医療テントの方に足を進めるのだった。
「あいつ、分かってんのかね?兵器は喋らないっつー事に」
「さぁね。自分が殺人兵器だって、信じて疑わないもの。でも、リィナさんと話すようになってからは口数が増えたよね」
「あぁ、それは俺も思った。初めて会った時なんて、一言も喋らなかったしな。いい傾向っつー事じゃねぇの?……それより早くテントに戻ろうぜ!!」
「……スケベな事ばっかり考えてないで、さっさと報告してきな!!」
瞳に蹴られ、渋々剣護は司令部に足を運ぶのだった。

一方、理人が向かった医療テント……
「帰ったぞ」
「お、おかえり!」
白衣を着た快活そうな女医が理人の方を向く。

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