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香港国際学園〜外伝〜
官能リレー小説 - 学園物

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香港国際学園〜外伝〜 79

「倶利伽羅竜王…」
「…そう…だ……あの…方なら…ば…力に……なっ…てくれ…る……ふふっ…人を…殺め続…けた人生で……あった…が…最後…のぉ……最期で…実…に…楽……しかっ…た…あ…りが……とう…玄人………そし…て…さよう…なら…だ………」
玄人が抱く玄義の体は力が抜け白く、まるで灰のように白かった。
「さようなら……叔父貴。良い…旅路をなぁ……」
玄人は自分ても気付かぬうちに頬を濡らしていた。
拭うと玄人は立上がり蒼天へ叫んだ。
「強くなろう!誰よりも!極めてやる!!…『我輩』は!!!」



それから玄人は丁重に弔うと、岩を切り出し墓石を建てた。

『偉大なる
大阿門D玄義
この地に眠る』

「これで…いいか……叔父貴。あんたの遺品……使わせてもらう……もらおう!」
玄人は幕を畳み、鞄を背負うと歩き出す。
「また来るよ………」
立ち去ろうとして一旦、立ち止まると、引き返す玄人。
「…煙は気を調えるの、だろう?」
防水マッチでポールモールに火をつけ、線香の代わりにと柔らかくなった地面に突き刺す。
「また…な……」
玄人は何度も振り向きつつも、ゆっくりと歩き、次第に見えなくなった。


完全に玄人の姿が消え、気配も感じなくなった頃…
一陣の風と共に二人の男性が現れた。
「逝った…ね…」
「うむ。玄義…お前は我が血の中でも最高の男の一人じゃったな…」
「うん…やっぱり哀しいかい、玄武爺?」
「まぁ、な。だかな倶利伽羅…大阿門はまだ、終ってない。」
「彼…ね。さてどうなることやら?」
「…時の運めのままに。じゃがな、見よ…」
玄武は辺りを眺める。
何もない更地であるが、そこは一ヶ月前は大森林であった。
「あの子、まだ十歳だろ?」
「奴…玄人ならば塞がれた道も自力で突破できよう…」
「……これも良家の血を引いた能力者達の運めだね…」
「だが、それを変えるために我がいてお前がいるのじゃろう…違うか?」
「うん、そうだったね…」
倶利伽羅がその悲しき旋律を目の当たりにするのは数年後の未来である。




玄人は半日かけ、町に出るとようやく圏内に入ったのか、無線機から連絡がきた。
『…ガッ……デルカイザー。応答せよ!デルカイザー!』
『…なんだ?』
『………ようやく通じたか。この数週間、どこか特殊な磁場でも流れる所にいたのか?』
『………』
玄人は沈黙を保っていると、オペレーターは堪えれず、話しを続けた。
『…デルカイザー、任務だ。今回もまた、一人なんだが……』
『ちょっと良いか?』
玄人は先程から気になっていた事を尋ねた。
『なぜ、オペレーターが代わったのだ?我輩のオペレーターはラミであったはずだが?』
『…………君には関係のないことだ。』
『関係があるかどうかは我輩自身が決める。言え…さもなくば貴様を抹殺するぞ?』
『ぐっ……七日前の朝、ラミ伝令官を含む十一人の能力者達がアルマティ支部に移動中…強襲された。』

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