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香港国際学園〜外伝〜
官能リレー小説 - 学園物

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香港国際学園〜外伝〜 75

玄人は無線機を取り出すと本部へと連絡をする。
『こちらデルカイザー…殲滅を完了した。』
『良くやったわ、玄人!これで十七つ目よ!すごいわね!』
無線機から歓喜に付す若い女の声が聞こえた。
『すごい…か。俺には関係ないね。俺が戦うのは親父の遺志だ。ラミ、新しい任務があったら連絡をくれ。』
『えぇ!たまには本部に帰ってきてよ!私みたいな可愛いお姉さんを放ったらかしにするの!?』
『自分で言うな。アバヨ』
『ちょっ!…』
玄人は一方的に無線を切ると歩き出した。



玄人は五時間程歩き、行き着いた村に今日の宿を探した。なかなか発展した村で人口は三万人ほどか。玄人は一軒の安宿に部屋を取ると、空腹を満たすべく近くの食堂へと入った。
「鶏が…七羽ね。これで全部?」
現地の言葉で玄人は店主に話しかける。
「へい、坊ちゃん。」
「なら全部、焼いてくれ。金は…」
玄人は数個の宝石を取り出す。
「こんなに頂けませんよ!ほれ、これ一つで十分でさぁ…」
店主はその中から小振りのルビーを取ると店の奥へと小躍りし、消えていった。
「…そんなもんか。宝石ってのはよく分らねぇ…」
手の中に残った宝石を見ながら呟く玄人。
その時…
「少年…」
「っ!?」
玄人は突然、光を遮られた影の基を見る。そこにはボロボロのマントに身を包んだ、初老の男性が立っていた。
(馬鹿なっ!気配が読めなかった!しかも…日本語?)
ここはもちろん日本ではない。英語ならばまだしも日本語を話せる者はこの村にはいないだろう。
「少年…」
男はまた問いかけてくる。
「なんだ?」
警戒を強めつつ尋ねる。
「そんなに警戒することはなかろう。ただ、同郷のよしみで我輩に鶏を一羽、譲ってもらえんか?金なら払おう。」
「………まぁ、いいだろう…一羽だけだからな?」
「すまんな…」
男は玄人の向かいに腰を掛けた。
「ジジイ…こんなとこまで観光か?」
「NO!我輩は野暮用でな。人捜しである…」
「大切なヒトって奴か?」
玄人は揶揄するように言う。
「まぁ、大切ではあるな。そいつは我輩の兄の孫でな。つまりは我輩の甥の息子である。でとある宗教組織に属しており、甥が死んでからというもの一人で頑張っているらしいのだ…」
「…なんで他人の俺なんかに話す?」
嫌な予感を感じつつも玄人は問う。
「フッ、他人か…本当はもう理解しておるのだろう、大阿門玄人?」
「ッ!」
玄人は日本刀を振り抜くと、男の首を狙う。
刹那…
男は金属音と共に腰から日本刀、背中からは巨大な刀を抜き、片方で玄人の刃を防ぐともう片方で玄人の首筋に当てた。
「くぅ…」
「刀をしまわぬか、玄人」
首筋に刃を向けられたままでは仕方なく、玄人は刃を納めた。男も刃を納める。
「あんたは、本当に?」
「YES!正真正銘の大叔父、大阿門D玄義である!」

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