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香港国際学園〜外伝〜
官能リレー小説 - 学園物

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香港国際学園〜外伝〜 73

既に勝敗は決していたが、更に追い討ちで突き出された切っ先は不良少年の逃げ出す背中に卑怯傷を刻んだ。
とうとう膝を突き四つん這いでホフク後退する先に、紺色のハイソックスに包まれた二本足…。
そいつはスカートの奥を晒さぬ様に片手を裾に添えながら身を屈めた。
透き通る白雪の如き太股が眩しいその少女、救いの女神と映ったか…不良少年は血の気を失ったその貌に軽い安堵を浮かべた。
「た…助けて…。」
「はい…頑張ってね?」
そいつは笑顔で、試合観戦か何かの応援でもするかの様な笑顔で言ってのけた。
そして軽く刃溢れを起こした彼のダンビラを地面から引っこ抜いて寄越す。
絶体絶命のピンチに傷付き倒れた、勇者に聖剣を授ける女神が如く。
「ホラ...どうしたんだい?」
血みどろの修羅場においてこの少女、対戦ゲームのコンティニュー画面でカウントダウンを行う美少女キャラでも演じているのか?
「む...無理っ!助けてっ!?」
彼の背後から迫る死神...『オラオラ薄汚ぇケツ野郎に俺様のライフルぶち込んでやるぜゲヘヘヘ』とばかり。
(実際には殆んど『あー』ぐらいしか言ってないが彼にはそう見えるらしい)
そして突如現れた女神様に恥も外面も不良の喧嘩意地も、辺里影汰に賭けられた安くない賞金額も全てかなぐり捨て。
ただひたすら女神様に救いの手を懇願していた…結果その審判は。
「負け犬。」
ツンツンでした。
ツンデレな女神様…今までどこか妙な期待に膨らんでいた雪菜の表情が翳をさす。
間を置いて喜怒哀楽のどれともつかぬ笑顔、それは狂気であるとも白痴であるとも、或いは神の領域とも表現される…宗教関連な芸術用語ではアルカイック・スマイルと称されるそれに酷似していた。
ぱきぃん…雪菜の脳内で何かが割れ…金色のオーラが髪を逆立たせる。
(段々…能力発動とやらのコツがわかってきたよ…)
ツンデレな女神様は立ち上がり、平伏し懇願する不良少年の顔面に爪先を叩き込んだ。
「ぼげらぁあっ!?」
砕けた前歯、血しぶきとリンパ液を撒き散らしながら退け反る。

「消えな!役立たず!!」
吐き捨てる雪菜の表情は、またあの奇妙な笑いに歪んでいた。
そして不良生徒の放棄したダンビラを拾い、自らの脇差と二刀で構えバランスを確かめる。
「ひ…ひへへ?」
事情はサッパリ理解出来なかったが、逃亡の許可は出たと解釈した…ああイカれた奴同士で勝手に殺し合え!!
「あぅ?」
辺里影汰はまだ切っ先に血の滴るライフルを抱えたまま不満を露にする…どこか残念そうなスネたような…。
「そんな顔すんなよ影汰ぁ…アタシが遊んでやっから!?」
「あーっ!!」

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