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香港国際学園〜外伝〜
官能リレー小説 - 学園物

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香港国際学園〜外伝〜 72

嘲笑と共に、アサルトライフルやサブマシンガン…あーもーとにかく手軽に沢山タマの出る銃の見本市が睨みを効かす。
雪菜は助太刀に入ろうにも上手く能力が発動せず歯噛みするしかなかった。
『ナニ考えてんのよぅあの馬鹿わんこ!?てぇか...この章アタシが主役...だった筈』
主役を喰われたと悟る雪菜をヨソに
...吹きすさぶ一陣の疾風...
まるでそれが合図かの様に
「撃てぇええっ!!」
弾幕の中を悠然と臆することなく...いや時折数センチ単位で身を反らしながら歩を進める影汰。
「ち...畜生っ!何で当たらねぇっ!?」
「あー」
上昇した射撃適性…銃撃に対する先読みまでもが加わっていた…至近弾が僅かに彼のスカートをはためかせた程度。
そして必中射程まで接近した影汰が無造作にトリガーを絞った…予備弾倉に換えていた奴のフル装填のそれを狙って。
「何っ!?」
マシンガンの引金を絞った瞬間『何かがつっかえた』様な衝撃、発射寸前の銃口をゴム弾で塞がれたなぞ信じられようか…。
銃身炸裂と共に弾倉まで誘爆を起こし、仲間を巻き込みながら射手はアフロになってひっくり返る…ちょっとした手榴弾並の爆発が同様に計六回。

20人近く居た刺客がたちまち戦闘不能となるか遁走した…が。
「ちぃい!どうせあと2〜3発だ!!」
…とライフルを捨てた、思い切りの良い不良少年が鞘を払ったダンビラを最上段に斬りかかる。
「いやぁああっ!!」
筋力強化と併せればこの小柄な女装少年の頭蓋を断ち割る位は容易であろう、そして六発使い切った銃声も聞き分けていた。
射撃系能力と言えど間合い約三mでリボルバーの再装填は間に合うまい…少年漫画の世界では卑劣な銃使いが剣豪の必殺剣に敗れるシーンに割りの良い賭けと踏んでいた。
「影犬っ!?」

流石に堪り兼ねた雪菜が物陰から飛び出すもそれは徒労に終わる。
「あー」
影汰は拳銃をホルスターに引っ掛け、背に回していた着剣ライフルを勢い良く振りかざす...銃剣格闘とは無縁のフルスイング。
しかし彼の能力が...銃のバランスと重心を把握したその一撃には、その質量が十二分に活かされている。
「あ〜。」
すこぉんっ!!
堅い木材に鋼板の補強が加わった銃尾は、四kg余りの鈍器と化しジャストミートでダンビラを打ち払った。
そしてそれは内野フライ程度の軌跡を描き雪菜のを足止めするかの様に地面に突き立った。
「あぶねっ!?」
そう『邪魔をするな』と言わんばかり…。
影汰に斬りかかった不良少年は…得物を失った痺れの残る指先を唖然と見つめていた。
筋力強化で殴り倒すなり仲間の放り出した武器を拾うなりすれば勝機はあったろうに。
「あ〜!!」
「ヒィイイ!?」
左肩口から袈裟掛けに斬り下ろされた一撃で、学生服に縫い込んだ軽金属の肩当てがライフル銃剣のナマクラ刃に砕かれた。
その下は皮下脂肪を浅く裂かれた程度だが見た目は激しい出血に、不良少年の戦意は確実に失われてゆく。
「た…助けて…誰かぁ!?」

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