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香港国際学園〜外伝〜
官能リレー小説 - 学園物

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香港国際学園〜外伝〜 71

…気が付けば一個小隊分の屍が増えたのみ…『常人』と『能力者』の圧倒的な差であった。
影汰が得た能力の代償は…極限状態の連続による精神崩壊。
一旦警察病院に収容された影汰を今泉が保護(拉致?)…現在に至る。

しかしここでもまた彼は、理不尽な暴力に晒されていた…。
理由もわからぬ指名手配…しかしそんな事はどうでも良い…彼にあるのは『ただそれだけ』…自分と理都の間に立ち塞がる全てを…。

「ブッ壊してやる!!」
…ただそれだけ…。
黒いオーラが旧式ライフルに絡み付く…まるで彼の一部に取り込む様に。
その様子を…雪菜はただ呆然と見守っていた…。
「アレ…何!?」

比較的高ランクの雪菜には、廃屋の窓から突き出された旧式ライフルの黒いオーラが視認出来た。

バリバリと軽快に撃ちまくっていた不良学生達も…以外な抵抗の意思に一瞬戸惑うが…。
リーダー格が鼓舞する様に叫んだ。
「ビビる事ぁねぇ!所詮は負け犬の遠吠え…。」
ばんっ!

大幅に用法を間違った彼の慣用句が遮られる。
音速の二倍以上で顔面に食い込んだゴム弾が、彼の耳や鼻から激しく血しぶきをほとばしらせた…。

旧式銃は連射が利かない分パワーがある…という程度の知識はあったが、手加減用のゴム弾で顔面を砕き鼻血耳血の海に溺れさせる程の威力が出せるだろうか?
そしてガタガタに摩耗したライフルで、瓦礫のバリケードからちょこっと顔を出している相手を狙撃するなど…。
影汰が実はガンマニアだとか、いぢめの仕返しに改造銃を作っていたとか、その類の話は聞いた事がないし…自宅に乗り込んで『家宅捜査』してやった事もあったが、グラビアアイドル(巨乳)の写真集ぐらいしか…失礼。

「アレがアイツの能力…。」

            「もう……いいや ……いつも……いつもそうだ………僕は何もしてないのに………必ず誰かが僕をイジメル……ソウダ、壊ソウ……周リノモノハ……ソウ………スベテガ『敵ダ』…」              影汰の不安定な精神によって今、彼の能力は自己防衛本能から周りにいるすべての『モノ』を破壊し尽くすために力を振るう……
影汰の瞳は再び虚ろに...いや地獄の深淵を思わせる漆黒の輝きを放っていた。
「あぅ...あー」
能力強化のライフル弾に、たちまち弾数分の人数が撃ち倒された。
影汰は撃ち尽したライフルを背に回すとリボルバーを抜き廃屋から姿を晒す。
そして浮足立っている不良生徒らへ自ら間合いを狭めた...。
「カマ野郎!西部劇気取りか!?」
古びた銃身にはCOLTの銘こそ入ってはいるが...西部劇や刑事ドラマの様な性能は期待出来ぬ軍用リボルバー...接近して威力と命中率を稼ごうというのか。
「幾ら射撃が上手くたって...この人数と弾数だぜぃ!?」

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