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香港国際学園〜外伝〜
官能リレー小説 - 学園物

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香港国際学園〜外伝〜 65

最悪の結末に、天に祈りを捧げる雪菜。

「大丈夫、この子達…滅多な事じゃ〇肉なんて食べないから〜。」
心中察してくれた、野生のお姫様の暖かい励ましに胸を撫で下ろす…『滅多な事』があったらどうなの…は聞かないでおこう。
赤くなったり青くなったり忙しい雪菜に、グリズリーの腕に抱かれた皐月が、ふわふわと微笑む…。

「大事なヒト?」
「ただのパシリ君よ。」
ブゼンと切り返しソッポ向く雪菜。

「ただのパシリ君を助ける為に…怖いニンゲンと喧嘩するの?」
からかう様にふわふわ微笑む皐月に…雪菜の頬が歪む。
必死で怒りを堪え、大きく溜め息をつきながら手近な岩…と思ったら陸亀だったが…構わず腰掛けた。

「アイツは…ど〜しょ〜もない負け犬…ぶっちゃけアタシのパシリ君…反抗したら殴って蹴ってマッパに剥いて…あ、もちろんチ〇コの皮も。」
いぢめトークで夢心地な雪菜に…ヒトとして疑問を抱きながらも皐月はふわふわ微笑む。

「でもね…黙ってアタシについてくりゃ…街中の不良全部だろうがセクハラ女教師だろうが…持てる限りの腕力と財力と権力で守ってやる!!」
後半やや涙混じりな雪菜にハムスターがハンカチを寄越す。

涙を拭う彼女の瞳には…母性本能とサディストとしての本能が複雑にせめぎ合っている様にも見えた。

「アイツが…アタシ以外の誰かにボコられて…地ベタに這いつくばる姿なんて見たくないの!!黙ってアタシについてくりゃ良かったのよっ!!なのにアイツは…!!」
それ以上は涙で言葉が続かなかった。

遠くからはまだ散発的に銃声が聞こえて来る。
それは皮肉にも影汰の無事を示していたが…結局彼の行方は掴めず仕舞い…。

やり場のない悲しみにくれる雪菜の肩に、グリズリーの腕から降りた皐月の小さな手が添えられた。

股からはグリズリーの放った子種が滴り落ちるが、皐月の貌は情事の後を感じさせないほんわかとした春の陽気のような雰囲気を醸し出していた。
「一緒にさがそ…えと…」
「雪菜よ…」
皐月の申し出に、ばつが悪い雪菜はソッポを向きながら名乗る。
「じゃあ、雪菜…探してから考えたらいいと思うよ…だから一緒にさがそ…」
香港にくるまで独りだった雪菜…彼女の周囲に少しずつできていく『友達』が、雪菜を変化させていくキッカケになっていくのである…



数分後…
灰色熊の背中に揺られて密林を進む雪菜と皐月…皐月は相変わらずの全裸、雪菜も諸事情あって全裸である。
「…で、見かけなかったけど…皐月って何組?」
「…組って何?」
熊の背中の上で皐月にしがみついている雪菜の問いに、相変わらず柔らかい笑みで返す皐月の答えに、雪菜は根本的な疑問に行き当たる。
「じゃあさ…皐月って香港の学生じゃないの?…」
「香港?…ニンゲンがいっぱいいる硬い蟻塚の事?…皐月森から出た事無いから…多分違うと思うよ…」

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