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香港国際学園〜外伝〜
官能リレー小説 - 学園物

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香港国際学園〜外伝〜 6

紫穂はその間、毎日のように倶利伽羅に会いにきたが、倶利伽羅は決して会おうとしなかった。
結界の前で涙に暮れる紫穂を見ながら、倶利伽羅も涙していたが、会えば己も紫穂を求めるのが分かっていただけに耐えていたのだ。

そして、紫穂が嫁ぎ空虚な洞窟生活……紫穂のいない洞窟の薄寒さは倶利伽羅にとって辛いものであったのだ。
そんなある日、青龍が倶利伽羅の前に現れた。
「……我を嘲笑いにきたか、青龍……」
かなり自嘲ぎみに言葉を吐き捨てる倶利伽羅に青龍はやや厳し目の表情で応える。それを見た倶利伽羅も何か悪い事態である事を悟った。
「何があった、青龍?」
「熊野の当主が鬼の長と相討ちになった……」
「なんとっ!、熊野の当主は神々に匹敵する力を与えられているであろう……それが鬼如きに……」
倶利伽羅は、熊野の当主の死に驚くが、それ以上にその妻となっているはずの紫穂の事に思いを馳せていた。
「鬼の中でも強力な服部一族の長であるから、多少の苦戦はするだろうが……鞍馬の一族の長の裏切りがなければこのような事態にならなかった……」

厳しい表情のままの青龍は続けて話す。
「幸い熊野には当主に16歳になる娘がいる……この娘が切れ者で、鞍馬の当主を幽閉し一族を纏め、当主の妻……紫穂と言ったかな……しっかり補佐してるらしいな……」
紫穂の名が出て、少し表情を変えた倶利伽羅をしばし面白そうな目で見ていた青龍だが、再び表情を引き締める。
「それより問題なのは……熊野の当主の遺体を回収した時……天乃叢雲剣が消えていたのだ」

「なんだと!?」
「今だ所在はわからなぬ。万が一だが、人間界にある神剣全てが、悪しき者に渡れば、世界の破滅にもなりかねん。そこで、大国主神は神剣の回収を決定した」
「ふむ……」
「すでに天使側からメタトロン、悪魔側からベリアル、そしてアラハバキが神剣回収の任についた」
「待て、アラハバキは大国主神や黄竜を恨んでおる。協力するとは思えんが……」
「うむ、だが、貴様の封印を解く事を条件に話を飲んだ。持つべきものは友だな」
「そうか、アラハバキが……」
「どうする、話を飲むか?」
青龍の言葉に倶利伽羅は顔をあげる。言葉はいらなかった。
「よかろう、封印を解いてやる」
「待て、この封印は龍族であるお前には解けぬ。下手をすればお前も」
「わかっておる。この封印は人間が一番解きやすい。故に貴様にうってつけの人間を連れてきた。入って参れ」
青龍がそう言うと、一人の女性が洞窟の天井の穴から降りてきた。
「…………紫穂」
「お久しゅうござます、倶利伽羅様」
紫穂と別れて、2年
その間に紫穂の美しさはさらに磨きがかかり、倶利伽羅は思わず息をのんだ

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