PiPi's World 投稿小説

香港国際学園〜外伝〜
官能リレー小説 - 学園物

の最初へ
 3
 5
の最後へ

香港国際学園〜外伝〜 5

しかし
「駄目だ…俺は…抱けない」
絞り出すように呟き紫穂を離した
「竜王様…」
紫穂が呟く
「もう…ここには来るな…俺の事も忘れて…日々を過ごせ…」
トンッと紫穂を押すと光の球に包まれた
「…さよならだ。紫穂」
「竜王様ぁぁぁ!!」
紫穂の最期の叫びを残し光の球が消えた
穴の入り口に結界をはると一番奥の隅に座り込んだ
「…『神』は『人』に関わるな…か」
倶利伽羅の呟きと同時にスッと顔に水滴の線がひかれた

「素直では無いな」
「誰だ!?」
声のする方に叫ぶと、現れたのは青い髪の青年、倶利伽羅をここに封印した青龍だった。
「久しぶりだな、倶利伽羅」
「……何をしに来た?」
「倶利ちゃん、そりゃないわよ。せっかく会いに来たのに」
青龍の横に立つ紅い髪の美女が言う。
「朱雀!?」
「思いの外、元気そうじゃな」
「げ、玄武殿まで!?」
いつの間にか倶利伽羅の前に立っていた老人に驚きの声をあげる。
「ちなみに、白虎は置いて来ちゃったわ。倶利ちゃんと仲悪かったもの。それにしても、馬鹿ね」
「馬鹿じゃな」
「あぁ、馬鹿だ」
「………分かっている。だが、封印された俺に何が出来る?不幸に、するだけだ」
絞りだすように倶利伽羅は言葉を出す。
「気持ちはよく解るが、あの娘の気持ちも考えるべきではなかったか?」
「青龍、お前に何が解る」
「あら、青ちゃんは経験者よ。人間との悲恋の」
「言うな、朱雀。もう千五百年も昔の話だ」
「どういう事だ?」
「……当時、俺達は大陸を中心に活動していたが、飽きてな。東は俺の領地だった故、この日本で人間の振りをしてみた」
「そこで出会った娘子に一目惚れしよったこやつはそのまま居ついて、子まで作りよった」
「ところが、それが上にバレちゃって。青ちゃんの奥さんと息子さんを殺そうとした上に徹底的に反目しちゃったのよね。結局、青ちゃんが戻って五百年間封印を受ければ、二人には何もしないで一応決着を見たわけ」
「……初耳だ」
「そりゃそうじゃ。四神の一人とも有ろう者が人間と子を作るなんて、大問題じゃったからな」
「『巫子』は我と別れる時、『幸せだった』と言ってくれた。……確かにお前は神の一員だが、今は封印されておるし、何より好きな者に拒まれるのが一番不幸だと、我は思うがな」
「それでも、俺は………」
「………これはお前とあの娘の問題だ、我らがとやかく言う事では無いな。我らは帰るとしよう」
「それじゃあねぇ」
「達者での」
そう言うと、三人は闇に消えるかのように、その場を去った。
そして、倶利伽羅は再び独りとなった。
「……紫穂、すまぬ」


数年後………

SNSでこの小説を紹介

学園物の他のリレー小説

こちらから小説を探す