凄まじい量の女の子の大群がその彼に殺到する。
ついでに食堂のテーブルやらイスやらがはね飛ばされ、雪菜達の側にいた男子生徒が逃げ遅れ、はね飛ばされ踏み付けられる。
咄嗟に気付いた量子の能力で、地面に引き込まれた３人…そのまま食堂から脱出して廊下から這い出る。
因みに、轢かれた男子生徒の名前は影井京平…四人とはずっと同じクラスなのだが、なかなか思い出して貰えない不幸な少年である…合掌……


ともあれ、出てきた瞬間不快感露わの雪菜。
「…何アレ……」
開口一番、不快な空気と共に吐き出す。
雪菜にとっては嫌いなタイプ…後に光樹にベタ惚れで、全てを捧げた雪菜だけに趣味がいいかは疑わしいが、神樹天地は生理的に合わないらしい。
「中等部の萌えアイドル神樹天地くん…萌えスマイルで女子は大半コロリね」
普通な説明をする量子。
光樹に全てを捧げるま、で真性ビアンな彼女にとっては範囲外である。

「面白いコなのデス」
天地が面白いと言うより、女子達が引き起こす事態が面白いと言う口振りのサラ。
量子同様ビアンなサラも範囲外。
「ああ見えて、なかなかブツは立派なモノをお持ちとか…」
エッチにはかなり興味の羽音だが、かなり耳年増である。
野郎のブツは実際見た事がないから興味がある程度…羽音もビアンなのである。
実際は天地のブツ…光樹や影汰には及ばないが、常人以上の堂々としたサイズ。
この手の美少年が巨根なのは、香港のお約束である。

天地はこの後、女の子にレイプされて初体験となり、暫く女の子達に遊ばれるのだが、彼をプラトニックに愛する女の子達が親衛隊を作って助けられる事になる…

結局、男は光樹が初めてで、光樹にベタ惚れ（ブツも）になって奴隷ズと呼ばれる事も、実際奴隷のように尽くす事も悦びになってしまう四人にとって、天地が範囲外になるのは当り前なのかもしれない。
因みに、光樹がフタナリ化して女の子っぽくなっていくと更に惚れ込んだのも、結局この辺りの事情であるのだ。

昨夜、サラが言った通り…ビアンを自認しながら、こうして天地くん含む美少年にめざとい羽音…。
「アイドルはねっ!可愛い子の味方なのねん!!」

性懲りもせず食堂をでるなり、また手近なターゲットにすり寄ってゆく…。
「羽音ぇ…マァタそんな男の子だか女の子だかわからナイ子…。」
サラがヤレヤレと苦笑いする。

「つ〜かま〜えたっ!!よ〜し!よしよし!!」
「あぅ?」
ムツゴ〇ウ化した羽音が虚ろな瞳を漂わせる女装少年を捕獲…。

雪菜には見覚えのあるその姿。
「影…犬!?」
明らかに精神を病んだ瞳だ。