PiPi's World 投稿小説

香港国際学園〜外伝〜
官能リレー小説 - 学園物

の最初へ
 37
 39
の最後へ

香港国際学園〜外伝〜 39


…そんな風に雪菜がイッてる同時刻……
健康診断及び能力判定を済ませた医師…須賀宇太郎は理事長室にいた。
理事長席に座るのは、現役女子大生にして理事長たる女帝、公元主姫…
彼女は健康診断、現能力と潜在能力を記されたレポートに一通り目を通し、書類をデスクに置く。
「須賀先生、ご苦労様でした…」
「いえ、お気遣いなく…潜在能力判定の結果、特進クラスの基準に達する生徒が数人いましたよ…」

須賀宇太郎…彼の能力は『能力判定』
彼や彼のスタッフは、能力者の能力を数値化して判定できる能力を持っている。
言うなれば、シャーシダイナモかド○ゴンボールのス○ウターと言った所か…
流石に須賀はリーダだけに、潜在能力をある程度見極める力があった。
「そうですわね…この子達の数人は普通科に残しますわ……後の子は特進科へ編入するよう、中等部の校長先生に申し上げておきますわ…」
主姫は数人の生徒の名前を指差し、魅惑の笑みを浮かべる。

その指の動きを、隣りに立つ青年が覗き込んでいた。

彼の名は、立花理人…
現在現役大学生の彼だが、日替わりで理事長付きのSPを勤めている。
因みに、主姫のSPの仕事は…主姫を護衛すると言うより、主姫を襲おうとする不逞な輩を主姫から守るのが仕事である。
学生結婚、最早子持ちの彼にとっては、いかに天敵の主姫とは言え、妻子を養う為には背に腹は代えられない…こうしてなんやかんやとアルバイトに精を出すのだった。

「ふうん…結構凄い潜在能力だな…本当に特進科にやらないのか?」
恐らく主姫には自分には考えもつかない深謀遠慮があるのだろうが、理人は半分興味本位で聞いてみる。
かなりヒトゴトな態度なのだが、彼がその後教師となってヒトゴトではなくなる事は、まだ彼には考えもつかない事だった。
そんな理人を、まるで未来を見越したように主姫は微笑んで見やる。

理人はそんな主姫に気付いた様子もなく、好奇心から…須賀に一言断りを入れ、別の名簿もひとつ手に取る。
「何だこりゃ?」

…目を引いたのは計測した数値よりもある共通点。
賞罰の欄が『罰』で埋まっていた事。

傷害に始まり窃盗、強姦、ネット犯罪…そして殺人…。

大方の想像がついた。
能力で罪を犯した少年少女…何の冗談か黒表紙のファイル、文字通りのブラックリストであった。

「『怨恨から暴力団事務所に殴り込み12歳で12人殺害(身元不明、判別不明な死体を除く)』
…まるでビリーザキッドだな…。」


SNSでこの小説を紹介

学園物の他のリレー小説

こちらから小説を探す