香港国際学園〜外伝〜 37
生理痛にも似た鈍痛…それが子宮のうずきによるモノとは雪菜は気付かない…。
扉には『銀城玲子・産休…代理・白杖つたや』の札…構う事はない、おファンタジアな学園ならホイミなりケアルなりで解決してくれる…と倒れ込む様に入室する。
「ん…げんひぃ?(もしゃもしゃずずぅ〜)」
茶菓子…白〇恋人をかじりながらコーヒーをすする、白衣姿の三編み丸眼鏡…。
「…元気な訳無いでしょ仕事してよ保健室のオバさん…。」
「見たとこ新入生(と名簿をめくる)…先輩方の手厚い歓迎、加えて…能力発動のリバウンド…かな?」
先輩の歓迎…という言葉に、ゴム弾で痣だらけなダメージが蘇る…。
「ん?ぎゃあっちゃあ!!」
意味不明な叫びを上げながら、雪菜はごろごろと床をのた打つ。
「静かにしなよ…一人寝てんだから。」
その滑稽な様子をマイペースに見守り奥のベッドを示す保健医白杖つたや。
「その子はアレよ…ほんのちょっと能力使っただけで電池切れ系…。」
…雪菜はその顔に見覚えがあった…。
「影…犬?」
…なんでコイツがこんなとこ居んのよ…
「詳しいこた言えないけど…シャバでドンパチやって能力覚醒…ってね。」
寝息を立てる女装少年、影犬こと辺里影汰…白杖つたやは名簿の彼の項を開いていた。
「日本に恋人さん残して…あれま同じ小学校かい?」
「う…ん。」
…最高の『負け犬』辺里影汰…その恋人さんとやらにも面識があった。学校一の狂犬、鉄田理都。
卒業式間近、理都に一杯食わせてやろうと、影犬のおいなり蹴り上げ『イジメられたくなかったら制服パクって来い』と命じた所…何やらイイ関係に…。
雪菜が原因だけに彼の女装は理解できるが…どういう経緯で理都を置いてここに来たのかまでは知らない。
しかし段々と身体の調子がおかしくなっていき、影汰の詮索どころではなくなってきた。
腹の鈍痛は更に進み、全員の血が逆流して沸騰してしまうような熱さ…
身体の全ての感覚が敏感になり、風邪でも引いたように自分の身体が自分のものでないような浮遊感…
小刻みにガクガク震える脚…それを見ていたつたやは、やや苦笑気味に言う。
「君の治療はここではできないわよ…部屋に帰ってナニする事が最善の治療…野良犬に噛まれる前に帰っちまいなよ」
その言葉以前に、流石の雪菜も逃げるように保健室から出ていたのだ。
…どうやって部屋にたどり着いたのかは解らない…何とかたどり着いて入り、入口付近の壁にもたれかかる。
ショーツはお漏らししたようにグッショリで、太股まで濡れてテカテカ、そして足下には染み……訳も解らず呆然とする雪菜…
少女にとっての初めての性の目覚めは、余りにも強烈な体験だった。
後に…『奴隷ズのクールビューティーにしてセ○クスジャンキー』と呼ばれる雪菜。