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香港国際学園〜外伝〜
官能リレー小説 - 学園物

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香港国際学園〜外伝〜 35

「誰だっ!、笑う奴はっ!………?!!」
頭上を睨み帰した男だが、そのまま硬直する。
見上げた木の枝に腰掛けて笑うのは雪菜…
「…みーつけたっ♪」
満面の笑みでそう言って笑う様子に、男は更なる恐怖と絶望感を味わう。
男の脳裏に、過去の出来事や光景、両親身内、仲間の顔…行燈を乗せた馬がパカパカと走っていた。

「イイなぁ…男の人の…負け犬ヅラ…じゅる…。」
「ヒィ!?」
元々がサディストな雪菜…もはや狩る側に目覚めていた…とは言え、どうもカラダの調子がおかしい。
とっとと用件を済ませよう。

「そのハジキ…何処で売ってんだい?」
既に高校生相手にタメ口…服部優奈の前で見せていた優等生な仮面は、とうの昔に脱ぎ捨てていた。

「ち…中等部二年の…浅倉組…。」
野良犬も早いとこ、土下座…いや土下寝で命乞いしてでもこの場を去りたかった。
早口に説明を続けると、雪菜は明らかに見下した態度でうなづく。
「ふむご苦労…行ってよろしい。」
「へ…へへ…どうも。」

…このガキャア〜…

雪菜がフワリと舞い降りる頃には走馬灯ビジョンも忘れ、、野良犬流の安っぽいプライドに沸々と怒りが再燃する…。
鼻唄混じりに立ち去る雪菜の背中に、強化能力の輝きは見られない…今なら殺れる…。
この野良犬…真っ先に逃げただけあって弾を残してある…こっそり撃鉄を起こし雪菜の背中を照準…。

…リベンジしちまえばこっちのモンよ…

ぼへっ!?

「ん?」
振り向く雪菜…男の手には原因不明の暴発を起こした拳銃…。

「…ほげぇ…。」
銃はササラに裂け、黒焦げ出来損ないパンチパーマになった野良犬が口から煙を吹きながら倒れた。

「フ…アタシには天が味方…いやむしろアタシが神…フフっ…。」


「あぅ。」
寮の窓際…硝煙なびく旧式ライフルを構えた少女…いや少年?
白痴のように虚ろな瞳…不安定な能力による精神崩壊だろうか…彼はライフルに安全装置をかけスリングで背負う。
「あ〜っ!!」

満足気に笑う女装少年。
近くにいた生徒らは、暇潰しに『野良犬でも撃った』のだろう…と気にも留めなかった…。
「あ〜っ!!」

…再び雪菜視点、浅倉組アジト…
廃屋に七人の不良が屯する中、雪菜がいた。

「噂になってるよ…『白いモビルス〇ツ』が現れたってね…。」
蛇眼の少女…『浅倉おろち』はドラム缶に腰掛け、けだるそうにケータイをいじっていた…。
ものの10分前かそこらの出来事だが、情報型の能力者の仕業だろう。

「で…モノはあるの?こーいうのカンベンだよ?」
野良犬が持っていた暴発銃を床に転がす。
「金額次第だ。」
ライフルを担いだ長ラン姿、おろち子分Aが雪菜の示した額に合わせて品物が入ってるらしい木箱を選ぶ。

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