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香港国際学園〜外伝〜
官能リレー小説 - 学園物

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香港国際学園〜外伝〜 32

…寮内を歩いていて、ふと気付いた事があった…表札を見る限り男女同室の部屋…である。

雪菜の一年上らしい生徒…『浅倉組』と名乗る、ちょっと派手で親切なおねいさん+野郎共(約一名おねぇ言葉)が教えてくれた。
『この学園は暴力とセック〇の天国』だと。
そういう事なのだと雪菜は解釈し、心配そうな表情を見せる『野良犬共』に礼の言葉を述べて足を進めた。

…とりあえず売店で棒アイスを買い、くわえたまま中庭を歩く。
思えばこうして一人になるのも久しぶりだ。小学校時代には『愛玩犬』『番犬』が取り巻いていた。

アイス一つ欲しいなら『負け犬』の一匹もけとばせは良かった…『影犬』…というニックネームが脳裏をよぎる。
今頃日本で『野生のプリンセス』とよろしくやっているのだろう…。

雪菜は苦々しい表情で食べかけアイスを噛み千切る様に吐き捨て、力任せに踏み砕いた。

「おぅおぅ仔猫ちゃあん?ご機嫌斜めかぁい?」
チャラ男な感じの『野良犬』三匹…着崩した学生服の襟に高等部のバッヂが付いていた。
からかっているだけなのだと無視する事にした。

…がし…
大の男の腕力で雪菜の重心が狂い、ころんと芝生に転がされた。

「アイスよりイイもんしゃぶらせてやっからよ!!」
野良犬はそう言うと、雪菜の髪を掴む。
ぷつぷつと音を立てる頭髪と共に、雪菜の脳内で別の何かが『ぶつん』と切れた。

どむ…力任せに爪先を蹴り上げる…小学校時代、何匹もの野良犬を仕留めてきた一撃必殺の金的。
目玉を飛び出させ、退け反る野良犬の手が、はだけた学生服の懐に延びる…。

取り出された黒い塊…54式黒星拳銃…。
モデルガンにしては様子がおかしい…そうだ思い出した…服部優奈の説明の中に『不安なら護身用拳銃の申請をしろ』と…。

…ぱぁん…

着弾の衝撃で、起き上がろうとしていた頭が芝生に叩きつけられた。
野良犬が内股でよたりながら講釈をたれる。
「手加減用のゴム弾だ…死にゃしねえ。」
みぞおちにめり込んだバツ印が弾力でぽとりと剥がれる。
吐気と目眩にのたうつ雪菜…胃液が逆流、溶けたアイスが端正な顔を汚す。

「ひゃはぁ!きったねぇ!!」
「顔射っぽくねぇ!?」
「後でたっぷり本物ブッかけてやっから!!」

…ぱんぱんぱん…
三人前の卑猥なヤジとゴム弾の連射。
「うぐ…嫌…ぐぁ!?」

銃声が鼓膜をつんざき、焼け火箸が全身を貫く…。

手加減用とは言え、暴徒鎮圧に使う様な代物…刀に例えれば、竹刀や木刀でもそれなりに人間は壊せる。

「おっといけない…俺も大概アブだけど、死体はパスだからな…。」
「オラこれ以上チョーシこいてっと次は実弾だぜ?聞いとんかガキャア!?」
「へんじがないただのしかばねのようだ!?ヒャハッ!?」

…今までは番犬引き連れ生意気な野良犬や負け犬をフクロにする立場だったが、いざ一人になってみると惨めなモノ…。

小学校では…スポーツ万能、成績優秀…あとちょっと気が強くて可愛いだけで女王様気分だったが…。


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