PiPi's World 投稿小説

香港国際学園〜外伝〜
官能リレー小説 - 学園物

の最初へ
 28
 30
の最後へ

香港国際学園〜外伝〜 30

…三月…入学準備という段階で、多くの異能力に覚醒した…或いは素質のある少年少女達がこの学園に集められていた…。

その多くはこの、地味スーツの女性を始めとする…旧・香港国際学園(第一部)の卒業生が全世界に散り、地道なスカウト活動を行った賜である。
「エスカレーターだの親の敷いたレールだの…そんなん真っ平!!コレよコレ!!」

…綾瀬雪菜…
進学校で女王なポジションに君臨…貧弱な坊やをいぢめる日々に退屈していた彼女の脳内は、ライトノベルで読みあさったトンデモな学園ライフへの期待に満ち溢れていた。

地味スーツ…卒業生、服部優奈は超強気でふんぞり返る少女に一抹の憐れみを感じていた…。

…この子…まだわかってないのね…恵まれた生活から一転して…無法地帯に放り込まれた事に…『無くてもいい素質に恵まれた』ばっかりに…

やがて、軍用ライフルや日本刀で武装した警備員が物々しく警備する赤絨毯を練り歩き…やがて『校長室』と真鍮プレートで示された巨大な観音開きの前に辿り着いた…。

…服部優奈が近衛兵じみた警備員に書類を渡すと、彼は中に居るであろう校長先生にインターホンで確認をとり…神経質そうな返答。

短い問答の後に警備員が服部優奈に敬礼、彼女は軽く会釈すると扉をノックする。

「服部優奈…並びに中等部新入生、綾瀬雪菜…入ります。」
『うむ…入りなさい。』

確認が一通り済むと、電子ロックが解除され…大袈裟な扉が開き優奈と雪菜を迎える…。

…偉そうなジジイ…

綾瀬雪菜の校長に対する素直かつ正当な評価であった。
神経質そうな痩せ痩けた躯に胡麻塩アタマ…形式的な挨拶の後に、ぞんざいに学園の説明…彼は雪菜の父の偉業を誉め千切り、見事な胡麻擂り野郎振りを披露してくれた。

…そんなん関係ない…

私はこの学園で天下を取る!!…

…数時間後…雪菜は雪菜に学園を案内されていた…。


ばりぃんがしゃぁん!!
「ワアァオォ!!」
不良少年が校舎の窓硝子を金属バットで片っ端からカチ割っていた。

ぶぉんぶぉ〜ん!!
「イヤッハァ〜!!」
その廊下をバイクが疾走していた。

まるで古い学園ドラマの様な光景が、雪菜の目の前で再現されていた。
どこからともなく麻倉美希のシャウトが聞こえてきそうなワンシーンに雪菜は唖然としていた…。

「じゃ…次は寮に案内するわね?」
「あぅ…は、はい…。」

見なかった事にして立ち去ろうとすると、雰囲気の違う絶叫と轟音。

…アイパーの男子生徒が燃える拳で、二挺拳銃の女生徒が光弾で不良達を薙ぎ倒して行く…。

「…アレは…?」
「能力者よ…まぁ昔に比べれば大人しいわね。」
事も無げに宣う優奈。雪菜としては…CIAやKGBの超能力部門程度に考えていたのだが…。

『おい御津!撃墜数多い方がメロンパン…!!(びしばし)』
『うるせぇアイパー!黙って手ぇ動かしなっ!!(ずぎゅーん)』

優奈が説明する傍ら、不良の群れ相手に大暴れする能力者の男女二名…。


SNSでこの小説を紹介

学園物の他のリレー小説

こちらから小説を探す