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香港国際学園〜外伝〜
官能リレー小説 - 学園物

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香港国際学園〜外伝〜 20

「………奴も精神的にムラが有り過ぎるな。裏切り者を始末したら、奴も始末するか………。もし、負ければ、その『事実』を利用して、強化すれば良いしな」


「精神的に人間に近付いた気がする」
ベースキャンプで理人はリィナにそう言った。
「この間の戦闘で、初めて敵を殺さずに勝つ事が出来た」
「そう!良かったじゃない!このまま誰も死なずに戦争が終わればいいわね………」
「そうだな。それに、そうなれば、リィナとの約束も守れる。傭兵を辞めて、日本に行ける」
リィナは笑って、そうね、と言った。
「最近の情勢悪化が心配だけど………」
「いざと言うときは、俺がリィナを守ってやる。戦争も終らせる」
決意を言うように、理人は拳を握る。
「理人がいるもんね」
二人にとって、今この時が幸せの時間だった。二人でいる事が幸せだった。
だが、その幸せは唐突に終わりを告げる。その時まで、あと数時間………。



その夜、理人はテントで武器のメンテをしていた。巨大なハンドガン、デザートイーグルを空撃ちし、異常が無いか確認した後、マガジンに弾丸を込めていたその時………。
「!?………爆発音!?銃声も!?」
闇夜の静寂を破り、ベースキャンプは戦場となった。
歩渉の兵士は瞬きの間に瞬殺され、迷彩に暗視装置を装備し、重武装の特殊部隊がなだれ込んだのだ。
「………くそっ!!」
理人はテントから飛び出す。そこでいきなり敵と出くわすも、理人は即座に敵の頭に穴を開ける。
「………リィナ」
リィナは今日は医療テントに残っていた。言いようのない不安と共に、理人は駆け出した。

「理人!!」
「剣護か?」
呼ばれた方を見ると剣護が刀を片手に駆け寄ってきた。
「瞳は?」
「高台だ。スナイプしに行った。リィナさんは?」
「これからだ。医療テントに行く」
話しながら、襲いかかってくる敵兵を倒していく。
「どこの部隊だ!?」
「ロイヤル・ハリビアだ!」
「また厄介な………。理人、リィナさん所に行け!ここはまかされてやる」
「………すまない」
二人を囲んだ敵兵に剣護が突っ込む。横に薙払い、一度に三人を斬り、銃口を向けた一人を脳天から二つに斬り裂く。
「行け!!」
剣護に後押しされ、理人は囲いを突破した。
包囲網をかいくぐり医療テントにたどり着いた理人の目に飛び込んできたのは『惨劇』の二文字に尽きる光景だった
昨日まで同じ空気を吸い同じ食べ物を食べ同じ戦場に立っていたであろう兵士達の『残骸』
それらがバラバラに飛び散りほとんど原型を留めていない大量の肉片になっていた
理人であったからこそ表情を少し崩す程度で済んだが普通の人間なら発狂してもおかしくない光景の中心にそれはいた
「よぉ、ちったぁ人間らしい顔つきになったじゃねぇか」
本来の黒い甲殻の半分以上を赤黒く染めた刹那が片手を挙げニヤリと笑いかけた
「…どけ」
理人が呟く

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