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香港国際学園〜外伝〜
官能リレー小説 - 学園物

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香港国際学園〜外伝〜 15

「やったか!?」
「まだだ」
剣護の言葉を直ぐに否定し、理人は構えなおす。
理人の言葉通り、刹那は半壊したジープを吹き飛ばす。全身を甲虫のような甲殻に被われ、首もとには赤いマフラー状の布。片手には先程の刀が握られていた。
「ケッ、しくっちまったな。だがま、俺の任務はとりあえず終わりか」
そう言うとプッと理人に白い糸の塊を吐き出した
「……」
足に絡みついた糸を斬ろうとする理人だったが糸の強力な粘着力に足を取られる
「蜘蛛の糸は同じ太さのワイヤーよりも強力だ、簡単にゃ斬れねぇよ」
そう言うと同じように剣護にも糸を吐き出した
「…殺さないのか」
ジープの前に立つ刹那に理人が呟いた
「あ?お前らも俺も一応『任務』で動いてんだ。んでそれも終わった、なら今更戦る必要もねぇだろうが」
俺は『アッパーシューター』じゃねぇしなと言うと剣護が切り刻んだ兵隊の破片を拾い始めた
そのまま、刹那は兵士の亡骸から遺品を取ると姿を消した。


「さて、どうする?」
「どうするもなにも、もうすぐ迎えのヘリが来るでしょ?占領はこっちに向かってる別部隊がするんだし」
剣護の能力『切断』で理人の足についていたクモの糸を切ったあと、三人はこれからについて話していた。
「あぁ、あと三十分もすれば来るはずだ」

数分後……
理人たちがいる廃墟に、徐々にだがヘリの飛行音が近付いてきていた。
それに気付いて、剣護が理人に問った。
「おい、いくらなんでも早すぎないか?」
「……エンジン音が違う。……あれは!?」
理人の見る方角の空から、それは姿を見せた。
「は、ハインド!?」
「冗談じゃないわよ!!」
「ちっ」
ハインドD
それは旧ソ連製の攻撃と輸送の両方の機能を持つガンシップ(攻撃ヘリ)。機銃や対戦車ミサイルで武装し、最高時速は300qを超える高性能を持っている。
もちろん、生身で戦うには分が悪すぎる。
「隠れろ!!」
剣護の叫びと共に、三人はハインドの機銃をかわして、なんとかスクラップ化した戦車に隠れた。
「どうする?」
「剣護、アンタなら斬れるでしょ?」
「無茶言うな。飛び出した瞬間にミンチだぞ」
「……瞳。アレは持ってきたのか?」
「え?一応持ってきたけど。これで撃ち落とせる?」
「コクピットを狙えばいい」
理人に促され、瞳はリュックや袖から銃の部品を取り出して、狭い戦車内で組み立てていく。
「なるへそ。M85なら撃ち落とせるな!」
「五十口径のコイツなら、強化ガラスも障子の紙も同然だ」
「でも、どうやって狙うのよ?相手は空とぶF1よ」
「考えがある。まず、この戦車の砲身の中にに銃をセットする。撃つのは剣護、お前だ」
「はぁ!?何で俺なんだ?瞳の方が適役だろが」
「瞳には照準を合わせてもらう。瞳の合図で撃て」
「確かに銃じゃ素人の剣護じゃ、目測を誤るかも知れないわね」

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