PiPi's World 投稿小説

香港国際学園〜外伝〜
官能リレー小説 - 学園物

の最初へ
 10
 12
の最後へ

香港国際学園〜外伝〜 12

しかし、最近は少し他人に関心を抱く傾向が表れていた。少し前までは、リィナはもちろん、剣護や瞳ともほとんど喋らなかった。
それが今ではリィナに出撃前の報告までするようになったのだ。相変わらず、自分には興味が無いようだが、リィナは自分の存在を認めてくれたようで嬉しかった。

「時間だ、行ってくる」
「はいはい、お気を付けて〜。と、そうだ。理人!これ持ってきなさい」
そう言って、リィナは小さめの包みを放り投げた。
「……これは?」
「応急医療パック!いくら強くても、体は人間なんだから、持ってきなさい」
理人は無言で包みからパックを取りだし、ベルトに着けて、足を外に向ける。
「コラッ!!ありがとうは!?」
「……帰って来れたら、言ってやる」
「あ!全く……」
頭をかきながら、リィナは理人の背中を見送った。
数時間後……

理人たち、三人は敵前線基地を見下ろせる高い岩場の上にいた。ヘリで近付くわけには行かないので、手前数qで降り、岩場まで歩いたのだ。

「で、どうする?」
剣護が双眼鏡から目をはなさずに声を出す。
「状況は?」
「『トランペット』持った見張りが十人近く、他にもガラの悪そうなのがうようよいるね。コリャ殲滅はキツイな」
「やっぱりいつも通りがいいんじゃない?」
「そうだな。じゃ、俺は基地司令部の連中を暗殺して、指揮系統を混乱させて」
「私は見張り、その他もろもろを狙撃」
「そんで混乱した所に理人が突っ込む、って事で」
顔を付き合わせて話す剣護と瞳をしり目に、理人は剣護からひったくった双眼鏡で覗いていた。
「聞いてんのか?」
「あぁ、問題無い。作戦開始は三十分後だ」
「充分だ。それじゃあ行こうかね」
そう言って、剣護は気配を消す。まるで、透明になったかのように剣護の存在は虚ろになった。九頭仕込みのこの気配の消しかたは理人でさえ敵わないのだ。そのまま、剣護は崖を身軽に下っていった。
「……さて、じゃあ、理人も『この子たち』の設置、手伝ってね」
瞳の足下には狙撃銃が三挺転がっている。
瞳はおもむろにその中の一挺を持ち上げ、銃身にキスをした。

理人達から離れること数km
目標の前線基地のテントの中にグラサンガラシャツの青年がいた
タバコを吹かし机に両足を乗せてウォークマンを聞きながらマンガを読むという戦場には場違いなことをしている
「あ〜…やっぱマンガは日本製に限るな」
そう言うと真っ赤な全身タイツ男の載っているアメコミを放り投げた
「くぁ〜……暇だ」
大あくびをしながら呟いた時だった
青年が何かに気づいた
「…1…2…2人か?いや…、3人…?」
タバコをくわえたまま椅子から飛び降りた
「念の為『糸』張っといてよかったか…な」
そう言うと立てかけてあった日本刀を蹴り上げキャッチした
「さぁ、喰うぜぇ!!」

SNSでこの小説を紹介

学園物の他のリレー小説

こちらから小説を探す