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香港国際学園〜外伝〜
官能リレー小説 - 学園物

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香港国際学園〜外伝〜 106

「相変わらず…えげつないな…貴方は。」
そんな銀林の皮肉にも青年は眉一つ動かさない…いや誇らし気に胸を張っている様にも見えた。
彼が得意とする『有り得ない事』や『無かった筈の事』を操る業の小手先レベル…とは理解しているが、銀林としてはその用法が少々不満だった。
取り敢えず、一応は『もう慣れました』とばかり、溜め息一つで諦める事にした。

「そういえば、ほかのメンバーの方々はまだ?」
銀林の言葉に青年が少し困ったような顔を作る。
「まぁ、時間日時指定してなかったしね。事前連絡つく人たちには連絡してるんだけど」
なかなか集まらないよね、と言ったと同時に数え切れないほどの矢の雨が二人の頭上から降り注いだ。
みると先ほどのエルフ然とした少年が弓矢を構えている。
おそらく彼なりの必殺技なのだろう、得意げな顔をしている。
だが
「まー、とりあえず銀林君と、霞屋君が来てくれただけでも重畳といったとこだね」

青年の言葉が耳に届くとほぼ同時にエルフ少年の目の前に白髪頭の青年が現れ、瞬間腹部に衝撃が走り、その体躯もあいまってか数メートル吹き飛んだ。
「君にしては遅かったじゃないか、霞屋君」
「いや、メンゴメンゴ。ようやく欲しかったものが手に入ったからさ、ちょっと夢中になってた」
そういい、両先端に金の箍がはめられた棒を振るう。
「あぁ、やっと手に入ったんだ。それ」
「そそ、いいね。珍しいもの欲しいものを手に入れるってあの感覚は最高だね」
ブンブンと振り回し地面にドンッと撃ちつける。
その『何かを踏んづけた』かの様な動作が、不可視の骨肉を砕いていた。

「しかし嫌いなモノがふたつある。」

霞屋の残念そうな表情の見下ろす先、水牛の様な角を生やした巫女服姿の女生徒が実体化していた。
先の一撃に利き足の爪先を砕かれ戦意喪失、アウアウと声にならぬ悲鳴を上げながら、七枝の長剣を放り出してのたうち回る。

おそらく瞬間移動や透明化、それなりに高ランクの複合能力で奇襲を仕掛けようと試みたのだろうが、今は足をもがれたゴキブリの様に無様な姿を晒していた。

「凡庸なものと、半端仕事だ。」

霞屋は吐露しつつ、眼下の愛らしい顔を突き砕いた所、また新手が息を吹き返していた。
氷の束縛から力づくで逃れた、お下げ髪に眼鏡の半人半馬。
彼女は長槍と投網を振りかざし、恍惚と獣じみた瞳を輝かせ『はっしぃ〜ん!』と耳障りな奇声を上げながら突撃して来た。

霞屋は杖を一旦左手に移し、コートの内ポケットからガバメント系の大型拳銃を抜く。
片手撃ちに構える動作と共にセフティ解除、無造作にトリガーを絞ると.45口径マグナムの雷鳴、人馬娘の左肩口が深く抉られ血飛沫が舞った。

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