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香港国際学園〜外伝〜
官能リレー小説 - 学園物

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香港国際学園〜外伝〜 105

「どこの何者と名乗る時間ぐらいあげようか…決して凡人には理解されぬ、闇の中でのみ孤高の輝きを放つ天才…早い話が中2病患者諸君。」
青年が動じた様子もない軽口でまくし立てる。
「でも、謎のナントカ裏のナントカって好きそうな君らの脳内ステキ設定だと、名乗る時点で死亡フラグなのかな?」
青年の敵対勢力が、各学生組織に何かしらの見返りを提示した上で現地徴用したのだろう。
その実力は玉石混淆といった所か。

青年の姿勢をハッタリと見ていたのか、寧ろ自分らの方がその程度と思われる男女生徒は、大した警戒もなく間合いを詰めてゆく。

大抵がカタナ使い、手にする得物は通称ザンカン刀。
聞こえは良いが数打物、名匠の業物を錬金術と特殊ステンレスにより、ノーマル仕様を学割価格2万円以内のお手頃プライスで模倣量産した大太刀。

そんな具合でハッタリじみた連中が十数名、青年が鈍重としか思えない程の動作で『刀を鞘に納める』とバタバタ倒れていった。
今更説明はいるまいが、彼等が目にしたのは青年が刀を納める動作のみ、であった。

「さて、続いて相手をしてあげたいところなんだけど」
何事もなかったかねように青年が言う。
「少し『メンバー』が集まったみたいだ」
その瞬間、集団の一角で爆発が起こった。だが巻き起こったのは爆風ではなく凍てつくほどの冷風である。
「お疲れ様でーす。少し早く来すぎましたか?」
冷風でトレンチコートをはためかせながら大柄な、だが人当たりが良さそうな青年が氷漬けになっている集団のなかにいた。
「んー時間指定はしてないし遅れるよりはいいんじゃないかな?『銀林』君」
青年が銀林なる人物にのほほんと微笑みかけた所、特殊攻撃に耐性を持つ人外生徒三名が息を吹き返していた。

人造皮膚の厚化粧が剥がれた下に金属ボディ。
機械化学生…元は各国秘密兵器の被験者、ないし学園内で校則ギリギリのサイバネ手術により、強化能力者並の恩恵を受けた学生達である。
彼らは標準装備たる足裏のローラーを作動させ、リッターバイク並の加速で二人に踊りかかった。

前衛に付いたヘヴィ級の機械化学生が先ず青年を狙い、左腕固定シールドに内蔵された格闘ギミックを展開した。
伸縮式の杭…通称パイルバンカーを左ストレートと併せた超音速の刺突。
しかし、確かに青年達をロックオンしたパイルバンカーは『始めから誰もいない』かの様な虚空を切り、連携で逆サイドに回っていた軽量級の機械化女学生を貫く。

一応女の子らしいピンク色の塗装を施された、貧乳とも呼べる薄い胸部装甲が弾けた。
機械化人にポロリを見せる色気なぞない代わり、彼女は断末魔の痙攣と共に右腕のガトリング機銃を誤作動させた。
その徹甲弾の弾幕が先程の重量級と、バックアップの残る一体も同士討ちに巻き込んだ。

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