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香港国際学園〜外伝〜
官能リレー小説 - 学園物

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香港国際学園〜外伝〜 107

致命傷に遠くとも、大口径音速弾のショック症状は人外基準でも耐え難い筈。
しかしその苦痛、これが楽しい、と言わんばかり戦いの歓喜に満ちた笑顔で尚も向かって来る。
旧学園の意志を受け継がんと混沌の焔に身を焦がす、そんな問題児こそが優良児とさえ皮肉混じりに囁かれた時代。
傍らで銀林が露骨に眉を歪めた。

再び雷鳴、二発目で豊満な乳房の脂肪層が水風船の様に破裂。
胸筋と肋骨、そして心臓まで鉛のミキサーにかけられた人馬娘は前脚から崩れ、自らの『半馬』の体重と加速で『半人』の体組織にトドメを刺し絶命した。

「という訳で銀林君にお土産、コレも結構珍しい奴だそうだ。」

と霞屋は、たった今殺しに使った銃…LARグリズリーにセフティを掛け、銀林に投げて寄越した。

「何がどう『という訳で』なんです?」
「君は多少の射撃適正があるだろ?」
「はぐらかさないで下さい…第一格闘や魔術と違って手加減の利き辛い武器は…。」
「君は手加減するだろ、だから手加減の利き辛い武器を渡す。」

霞屋は銀林が武装集団を拘束するのみに留めた結果、二度手間という『半端仕事』を責めている様だ。

公式な序列は不明だが、少なくとも霞屋の方が格上らしい。

「勘違いしないでくれ銀林君、決して無用な殺戮を推奨している訳じゃない。」
「わ…わかってます…。」

銀林の一応従順な雰囲気に霞屋は句を続けた。

「僕らの殆どがランク無視のチート使い…無用な手加減こそ神サマ気取りで上から目線の残虐行為さ。」
「わかっては…います…。」
「せめて人として、必要なだけの武力を必要なだけ使おうって、ぐらいの姿勢は理解してくれ。」
「はい。」

銀林は『大事に使わせて貰います』とグリズリーを懐に納めた。

そもそも銀林の拳は精神力サポート抜きでさえ、マグナム拳銃どころか猟用ライフル並。

霞屋としても土産は別に銃である必要はなかった。
人の基準で造られた人を殺せる道具というアピール性。
霞屋好みの珍しい物というチョイスだったが…銀林もそれなりの納得はしたようだ。

「最悪の事態でも、ウチには後出しチート王がいるじゃないさ?」
「そうですね、ズルの天才です。」

霞屋と銀林はそれとなく『青年』を暗喩した。

「ちょっとォオオオ??もう少し敬意払いたまえよ?誰か何とか言ってやってよォオオオ?」

「なんとか。」

と青年に呟くツルペタ少女。
地面まで届きそうな緑色のツインテール、無機質な能面顔。

しかし額の『ヤンデレ』と真新しい中等部のセーラー服の背中には『厨二病患者』という落書きは何なのか。

肩に担いだ旧式ライフル64式自動小銃は低ランク能力者の護身用として珍しくもない。
丸腰で管理区外を歩けば逆に不審者とされる時代…しかしこれまた陰湿な女子中学生の悪戯よろしく、グリップ周りに画鋲を貼られていた。

「なんとか言ってみた。」
「あぁ…時末(トキマツ)さん、書類申請は終わったかい?」

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