PiPi's World 投稿小説

香港国際学園〜外伝〜
官能リレー小説 - 学園物

の最初へ
 100
 102
の最後へ

香港国際学園〜外伝〜 102

「『空中庭園』…学園はどうでるか…?」
少年の言葉に青年が笑う。
「大丈夫、その為の竜王達だよ」
青年の言葉通り学園から黒竜と悪魔の羽が生えた女性が弾丸のようなスピードで飛び出し、空中庭園の迎撃システムを片っ端から破壊していく。
そして迎撃システムの無くなった空間を天使の羽を携えた巨大な全身鎧が悠々と飛んでいった。
「さて、メンバーは天使が運んだ。あとは彼らが頑張ってくれることを願おうかね」
そう言うと少年に向かう。
「じゃまた、学園入学前にまた連絡するよ」
少年が返事をかえす前に青年の姿は消えていた。
「よし、気合い入れて体鍛え直すか」
そういいマフラーを翻すと少年も学園を後にした。


それから数年後…
「ハハッ…ハハハハハハハハ!!」
槍と刀と大量のナイフ、矢や空薬包が散らかっている荒野のど真ん中で青年が笑い声を上げた。
「まさか伍式まで防ぐなんて!!なんて…なんて素晴らしいんだ!!」
数年前とまったく姿が変わっていない青年がとても嬉しそうに叫んだ。
「ふん…防ぐのがやっとで反撃も出来なかったけどな」
年相応に成長した少年が構えを解く。
「合格か?」
少年の言葉に青年が大きく頷いた。
「文句なしの大合格だよ!」
青年が、さも書類一式といった具合のクリアケースを少年に寄越した。
「卒業証書か?」
「学校行く前から卒業してどうするよ少年?」

少年が仏頂面でケースを受け取った時点、書類の内容は幾らか見当を付けている筈、と青年は補足説明した。
「学園の役所に提出すれば、内部の協力者が君のIDを正規に偽造する手筈だ。」

「ん。」
少年は真っ先に履歴書の類から内容を記憶する。
ファントム動乱で死亡した生徒の、直接面識のない親戚…陳腐なデッチ上げ戸籍。
「おい、もう少しマシな名前、なかったのか?」

「いーじゃんいーじゃん?名前なんて…特に偽名なんて尚更記号みたいなモンだしぃ?」
どこまでも軽々しい口調で応じる青年。

「てぇか限りなく、記号に違い名前だよな、コレ。」
少年と青年の間で交された、仲間となる交換条件に含まれた『入学』の都合上だけに、反論らしい反論が出来ずガックリと肩を落としていた。

SNSでこの小説を紹介

学園物の他のリレー小説

こちらから小説を探す