普通の高校に女子限定クラスができた理由 86
今までより一段緊迫した状況。光一は、また勝てそうではあったが、ちょっと躊躇していまい、奈津美が大富豪になった。
最後は再び愛と恋の争いになった。
愛が"これなら恋ちゃん上がれるだろう"と思って出したカードに恋はパスし、愛は先に上がらざるを得なくなった。
「じゃあ、私の、負けね」
恋は立ち上がり、ジャージに手をかけた。恋は靴下ははいていなかった。
「恋ちゃん、いいよ」
奈津美は言うが、恋は
「いいの」
と言って手を止めない。
その下からは、パンティーは現れない。
「私、ノーパンなんだ」
男子三人はすでに顔を伏せていた。
「恋ちゃん、やめなよ」
愛も心配そうに声を掛けるが、恋は続ける。
そして、ジャージをすっかり取って、男子達に向かって言う。
「ねえ、私たちね、校内の男の、性欲処理に使われる運命なんだって」
部屋の中が沈黙に包まれる。
全裸の恋を男子は直視できなかった。
愛と奈津美は恋の方を見てやれやれ、といった感じで苦笑したり、ため息をついた。
「性欲処理って…」
「君たちももちろん…相手の中に入ってると思う」
「ええぇ…」
恋は、光一を見下ろすようにして言っている。光一は少し後ろに下がった。しかし、もはや一枚だけになっているトランクスの下のものがどれほど大きくなっているかは隠しようがなかった。
恋はそのまま光一に一歩近づく。
「私たちとしても、強制的にやらされるよりも、互いに合意して、っていう方がいいと思ってる」
恋は光一を一点の曇りもなく、真剣なまなざしで見つめる。
光一は目の前の何も身に着けていない恋の身体をまだ直視することができないでいた。
「私の裸見て、興奮してるよね」
「………そりゃ、そうだろ…」
光一は弱弱しく答える。恋はそんな光一に軽く微笑んだ。
「嬉しい」
恋は、さらに光一の足元まで進んだ。
「ねえ、私で、性欲処理、する?」
光一はまだ恋を直視できないでいる。
光一は、いまさらのように以前に聞いた噂話「8組の子はヤらせてくれる」を思い出していた。でも、それがこういう形だとは想像していなかった。
でも、欲望は隠しようがない。断る選択肢は無かった。
「え、ええと、はい、お願い、します」
愛は少しおびえたように恋の方を見ていた。
「ねえ、愛ちゃんは、やっぱり選ぶなら小坂君がいい?」
「え、ええっ?!」
奈津美はごくふつうにそんな問いを発した。
「愛ちゃん、小坂君と昼間一番話してたじゃん」