普通の高校に女子限定クラスができた理由 9
恋は、気づかれないよう、距離をとって足音を立てないようにして泉についていってみた。
泉は、ある空き教室に入っていき、生徒のようにそこの席の一つに座わり、目を伏せた。
恋は、少しずつ移動して、その教室が見えるようにした。
「今日は2人だ」
「は、はい」
中から低音の男の声がした。
泉の声は少し震えている気がした。
「いつものように、頼むぞ、沼尻」
「ウソ……こんなに、大きいなんて…」
「大切な教え子を守りたいなら、拒否権はないぞ」
恋はガクガクと震えながらその場に立ち尽くした。
どうしたら、いいのだろう。教室に飛び込んでいく?誰かに知らせに行く?
男が誰だか、まったく確信は持てない。事情が分からない以上、ここは何もしないのがいいのか…
そのとき、恋は後ろに人の気配を感じた。そして次の瞬間、その人影の両手で口がふさがれた。
「見られちゃあ、しょうがないな…」
恋は、こういう場合抵抗しても、事態は好転しないことを経験的に知っていた。
「このまま、沼尻先生に全部背負ってもらうのもな」
背後の男の手が、恋の胸に伸びる。
部屋の中からは泉の甘い吐息が聞こえてきた。
「どうやら君は経験のある子のようだね」
無反応を装っていた恋だが、男の手つきに身体が我慢できなくなってくる。
「嫌、いや…」
「その言葉は、君の本心ではないだろう」
恋の体は、恋の意思に関わらすスイッチが入りつつあった。
「ほら、君の乳首、短い時間でこんなに硬くなって」
恋は、顔をしかめながらも、何も言わなかった。その男の言葉を否定できなかったので。