普通の高校に女子限定クラスができた理由 51
一同どよめく。
「あの、もしかして、部活であったことも、それと関係あるんですか?あ、でも女子の先輩方もいたから違うかもですけど…」
桃子がそう切り出し、カラオケボックスでの歓迎会のことを簡潔に話した。
すると、多くの運動部の人と、いくつかの文化部の人も、口々に同じような経験をしたと話し始めた。
「歓迎会、うちもやったな…そこでみんなでそんな風になったよ」
バレー部の常盤亜優が言う。
「部長とか、順番に並んで次々に相手したよ…ちょっと怖かったけど…」
サッカー部のマネージャーを志望した柘植あさなが衝撃的な発言をして周りを驚かせる。
「顧問の先生と、しました…」
そう言ったのは茶道部の水口優梨子だ。
「先生…」
桃子が質問の答えを促す。
「全部ではないけど、多かれ少なかれ、関係あります」
「こわい!」
愛華が目を伏せた。他の何人かも恐怖の表情を示した。
「こわいばっかりじゃ、ないよ」
智里が立ち上がった。
「私は、桃子と同じ歓迎会に参加していたの。そういうの、初めてで、そんなことになって。こわかった。少し、痛いこともあった。でも、先輩とっても優しくて、ちょっと痛いのを通り過ぎれば…なんか、はずかしいけど、来てください、もっと、お願いします、っていう感じに、なったの。なにより、部の人と、あのあとすごく仲良くなれて、だから、私は、そういうこと、あってよかった」
泉は今までにあった話を聞いて少し考えてから話を切り出す。
「いい思いができたか、そうではないか、それはその部活のやり方次第だと思う…私なんかが口を挟む話ではないだろうけど、もし悩んでることがあったらなんでも相談してほしい。私もいろいろ経験してるから…」
泉の話が終わったのとほぼ同じくらいのタイミングで、授業終了のチャイムが鳴った。
川瀬凛音と来栖柚月は、気づいたらどこか知らない場所の風呂にいた。服はもちろんすべて剥がれていた。
「凛音ちゃん、ここ、どこ?」
「わかんない。私も、さっき気がついたら、ここにいた」
凛音は記憶をたどった。
校庭で体操していて、誰か知らない男の先生に来るように言われて、何か薬品を嗅いでしまって、意識なくなって、気づいたら、ここにいた…