普通の高校に女子限定クラスができた理由 33
奈津美はまだぼんやりしていた。さきの泉と今とが頭の中であまり繋がっていかなかった。さっきのは長い夢だったのか…奈津美はそう思おうとした。でも、それは現実から逃げることでしかない、と奈津美は思った。
奈津美は、少し質問してみた。
「先生、あの男の人たち、しってるんですか?」
見た感じ教師ではないのは明らかだった。緑台という学校は私立ではないから何かのスポンサーがいるわけでもなさそう…奈津美は疑問に思っていた。
「まあ…ね」
「どういう人たちなんです?」
「柳井さんが深く知ることはないと思う…今は、内緒にさせて…」
「…はい」
そう奈津美は応えたが、奈津美はまだ動揺していた。
「シャワー浴びる?よかったら、うちに寄って」
泉は、奈津美に少しでも気持ちを回復してもらおうとそう声をかけた。
その言葉には奈津美は小さく頷いた。
二人とも元通りの服を着たあと、二人は小型の車で学校を出た。
奈津美は泉の家でシャワーを浴び、軽くお茶とお菓子ももらい、「今日のことはできるだけ忘れてほしい」と慰めか、あるいは励ましの言葉をかけられ自宅まで送ってもらった。
奈津美は翌日元気に学校にやってきて泉を安心させ、クラスメートたちにも忌まわしい出来事を悟られることはなかった。
……それから数日後。
その日も授業は普通に進み、6時間目に入る直前のこと。
その時間の担当は泉だったのだが、彼女は教室にやってくるなり
「突然で申し訳ないけど、みんな体操服に着替えて」
と告げる。
一同どよめく
「何でですか?」
「体操着で英語なんですか?」
「後で説明するから、まずは着替えて」
釈然としないまま、一同着替え始める。
ここの、一つだけ離れた教室は、女子しかいないし、更衣室から遠いこともあり、みな教室で着替えている。
恋は、ノーパンであることを悟られないよう、いつも着替えのときにはスカートの中に短パンを穿いてからスカートを脱いでいる。