普通の高校に女子限定クラスができた理由 19
岩上が来たところで、扉を閉めて、一同乾杯した。
半分以上の部員のグラスにビールが注がれていた。
智里にとっても桃子にとってもビールは初めてだった。ちょっと苦く感じた。
カラオケだが、あまりどんどん曲を予約していくような雰囲気ではなかった。智里も桃子も空気に従って曲を予約するのは待った。
智里の隣には2年生男子のエース格の下田が座り、上機嫌にビールを飲んでいた。
「………えっ?」
次の瞬間、下田の手が智里の胸に伸び、やんわりと揉み解してきた。
「ちょっと、先輩…」
「良いモノを持ってるな」
「えっ…んん…」
桃子もそれを見て戸惑うが、その隣の日菜子は気にすることもなく、岩上に自分の胸を揉ませていた。
「智里、大丈夫?」
桃子が小声で耳打ちした。
「大丈夫…きっと、高校って…これが、普通なんだ…」
智里も小声で返し、すぐに愛撫に応じるような甘い息を漏らし始めた。空気的にそういう反応が適切と考えたので。
「お前あそこ入ってこいよ」
斜め向かいくらいにいた、男の先輩の隣で戸惑い気味だった男子が、グラスを持って桃子と日菜子の間に入った。
「はじめまして。一年七組 横坂知宏と申します」
「2年の戸田日菜子、よろしくねぇ…あぁん」
「男子水泳部 部長岩上だ。よろしく!」
「よろしくお願いします」
知宏はそれだけ言って顔を反対に向けた。日菜子の手も、岩上の股間に行っているように見えて、知宏の戸惑いはますます増すばかりだった。
「ねえ、君、8組なの?」
知宏にいきなり問われた桃子はちょっとびくっとした。
「え、あ、うん」
「あの、8組って、男が苦手な女子が集まったんだ、って噂聞いたんだけど、こういうの大丈夫なの?」
桃子は少し戸惑った。
そんな噂は聞いたことがないし、クラスメートにそのような話をした人もいなかったからだ。
「そういう子もいるかもしれない、けど、私は別にそうじゃないよ」
「へぇ、そうなんだ」
周囲の行為がヒートアップしていく。智里は制服を脱がされているし、日菜子は岩上に抱かれ甘い声を上げている。
一番端の席にいた女子水泳部の部長、新見梨沙子は、後輩男子と激しい行為を始めていた。
そうした光景を、特に梨沙子のあらわになった胸を見ていて、知宏の戸惑いは次第に興奮へと変わっていった。
「男嫌いじゃない、なら、いい、ええと、君…」
「澤田 桃子っていうの…うん、いいよ。私だって、初めてじゃないし」
“智里はガチで初めてなのかな”桃子は智里の頑張っているような反応を見て頭の中でそう思った。
「じゃあ、いくよ」
言葉とともに、知宏の両手は桃子の両胸を掴んだ。