普通の高校に女子限定クラスができた理由 158
「…そうだ!」
一瞬間を置いて亜美羽は大声で言った。
そうして、風呂から出てきた男子三人に向かって言った。
「みんな、まだセックスしたいでしょう!」
男子たちは答えなかった。
「綾音もセックスしてみたいんじゃない?」
綾音は下を向いたまま答えない。
亜美羽はハンドタオルで体を拭いた後、裸のまま、自らのバッグの中からメモ用紙を取り出した。
「これから、セックスしたい相手の名前を書く。それがお互いの名前だったら、お互いの気持ちをわかりあった、ってこと。その二人で、セックスする、ってのはどう?」
「ああ…」
「望月さんがそう言うなら…」
勝と遼がうなずく。
巧も反応して「それで、気持ちが一つになるなら、やろう」と告げる。
杏南と綾音は亜美羽に折れる形で小さくうなずいた。
「決まりね。じゃあ、相手の名前を書いて、自分の前に置く」
巧は、紙を持って下を向きながら考えた。
個人的には、亜美羽に興味ある。しかし、これまでの流れから考えると亜美羽が巧の名前を書くとは考えにくい…そうすると、さっき自分の前で下着姿にまでなってくれた杏南の名前を書くのがいいのか…でも、ヤレれば誰でもいいのか…いや、杏南は、二日間話して、それなりに話が合った…誰でもいいわけじゃない…
そう数十秒で考えて巧は杏南の名前を書いて紙を裏返した。
巧が真っ先に名前の書かれた紙を裏返しに置いたのを見て、残る男子も一斉にペンを走らせ次々に紙を置いていく。
亜美羽は男子の反応を見ながら少しにやついた顔でゆっくり紙を置く。
杏南と綾音も、そこから遅れること十数秒、迷い考えた末結論を出す。全員分出そろった。
「望月さん」
「はい、広瀬くん、何でしょう」
「男女の数が釣り合わないけど、もし、同じ子を2人の男が指名したら、どうなるのか…」
「2人とも相手すればいい。私は大歓迎」
そして、全員が紙を置き終わったところで、亜美羽はハンドタオルも置いて、何もつけないまま言った。
「じゃあ、開票!」
男子4人の紙を表にしていく
「影山君、田畑君、駒井君…私!」
一同の視線が亜美羽に集まる。
「私は」
亜美羽は紙を見せた。
「男子全員の名前を書いたから、成立!」
女子二人からの複雑な表情に亜美羽は
「一人しか書いちゃダメ、って言ってないでしょ…じゃあ、広瀬君、杏南!」
杏南は顔を巧に向けた。
「そして、女子!杏南、綾音、広瀬君!さっきの、複数から指名されても両方相手すればいいルールにより、広瀬君は、杏南と綾音!」