普通の高校に女子限定クラスができた理由 157
「!?」
亜美羽が何気なく言った言葉に巧も杏南も綾音も目を見開き、また押し黙ってしまう。
「私…変なこと言ったかな」
亜美羽は小首を傾げた。
「なんだ、巧、来るの早かったな」
「お、おう」
そこに遼がやってくる。どこかスッキリしたような表情に、巧には見えた。
「いいこと、あったのか?」
巧の問いに、遼はしばらく言葉を選んでいた。
「いま…聞いた通りだった」
「3人ともか?」
「…ああ…なんか、お先に、ごめん」
「謝ることじゃない…」
その会話中に、残る二人もハンドタオルで股間を隠しながら出てきた。
「ああ、巧…もう来てたんだな」
勝は少しだけ申し訳なさそうな顔をして。
「早かったな」
基弘は周りの空気があまりわかっていないような表情で。
「望月さん…」
「何?」
巧が恐る恐る口を開くと、亜美羽は可愛らしく小首を傾げる。
「望月さんは、良かったのか…?」
「お互い、やりたいと思ってやったのなら、幸せになれるよ」
亜美羽はハンドタオルを持っていたが、それを体の一部を隠すのには使っていなかった。巧は、亜美羽に視線を向けられているが亜美羽を正視できない。
「広瀬君、私と、ヤリたい?」
巧は答えない。何といっていいか分からない。しかし、体は確実に反応している。
「あ、でも、杏南、広瀬君とヤろうとしてたの?」
杏南の顔が一気に真っ赤に染まっていく。
「そ、そんなわけ…っ」
「きっかけは大事だよ」
「で、でも…」
「泉先生は言ってた。お互いの気持ちが大事だって。自分みたいに後悔しないように、お互いの気持ちをわかりあって、セックスすることがってね」