普通の高校に女子限定クラスができた理由 156
そう言って杏南は、やや下を向いて、ジャージの上とTシャツを一気に脱ぎ、次いでジャージのズボンを脱いだ。
そうして下着だけになった杏南は、巧に向かって、やや下を向いたまま歩み始める。
巧は、その様子を見て、これは本当に杏南の本心なのか、不安と疑問が拭えない。
「私、外、出ていようか」
巧がなにか言う前に、座り込んだままの綾音がそういった。
「いいよ、そこにいて…むしろ綾音にも一緒にいてほしいかも」
杏南は顔を上げ、綾音に言う。
その顔は笑顔だった、が。
「い、今津さん、無理、しなくても良いんだよ」
巧は精一杯の気持ちでなんとかそう言った。
杏南の姿を見た綾音は同じように自分のジャージのジッパーを下ろし始めた。
その時、浴室の扉が、開いた。
「あー、楽しかった!」
亜美羽はハンドタオルで体を拭きながら笑顔で出てきた。
浴室外の三人は一斉に亜美羽の方を見る。
「あ、広瀬くん、おつかれ! …どうしたの、みんな、なんか難しい顔して…」
亜美羽がキョトンとしながら難しい顔をしている3人の傍までやってくる。
「亜美羽…何してたの?」
「何してたって?………ハッキリ言っちゃっていいの?」
巧と綾音、それに杏南の3人はお互い目を合わせて、ゆっくりと頷く。
亜美羽と一緒に浴室の中にいた男子3人が少しの間を置いて続々と中から出てくる。
「セックス、だよ。みんなを気持ち良くしてあげてたの」
杏南はまだ下を向いている。
「セ…、亜美羽、何で…」
「何で、って?みんな気持ちよくて、私も楽しくて、学校の方針にも合ってる。何か、変?」
「変、って言うかぁ…」
「杏南も、その格好、セックスするつもりだったんじゃないの?みんな、すればいいじゃん」