普通の高校に女子限定クラスができた理由 154
「田畑君、キミ、一人でそういうことするなら…私やってあげようか」
「え…」
勝の手が止まる。
「ちょっと狭いけど、こっち来たら」
勝は亜美羽が招く通りに、遼を挟んで湯舟と反対側に移動する。
「駒井君も、そんなになって…」
亜美羽が基弘にもニコッと微笑み、何も言わず手招きする。
基弘は一瞬俯いて恥ずかしそうにしていたがすぐに亜美羽のいる場所に近づいた。
亜美羽を3人の男子が取り囲む…今にも射精しそうなほどに股間を膨らませて。
「みんな、元気になってくれて嬉しい」
「…それで、望月さんと一緒にお風呂に入ったことは、ないんだ」
その頃、巧は他の女子二人と引き続き無難な会話を交わしていた。曇りガラスの向こうに何となく見える風呂内のことが気にならないわけではない。巧はクールに振る舞っていたが、だんだんとそれを隠せなくなっていく。
「ねえ、広瀬くん、やっぱりお風呂気になる?」
杏南が声をかける。巧は思いきってこう言った。
「うん、気になる。見てみて」
女子二人はうしろを見た。
曇りガラスの向こうで何人もの人影が重なり合い、複雑な動きを見せている、ように見える。
「何やってるのかな?」
「中の様子、気になるよね?」
綾音が巧に尋ねる。
「まさか…な」
巧はうなずきながら少し考えた。
彼らが、彼女が、想定を超えた行為をしているのではないか、と…
「なんか…ノックして、開けてみる?」
「ええっ、それ、ヤバくない?」
綾音の言葉に杏南はそう応えた。
「でも、ここは、女子の部屋だろ?女子で開けて、いいんじゃない?」
巧は、女子二人の目を見てそう言った。