普通の高校に女子限定クラスができた理由 151
勝と基弘もそれに続く。
男子3人の裸を見て亜美羽はニンマリする。
「先に脱いでお風呂行ってて」
「ああ」
「おう」
男子3人は下のジャージも脱ぎ捨て風呂場に向かう。
「これは楽しめそうだね」
亜美羽が呟いた。
“もう少し後で入った方がいいな。望月亜美羽が脱ぐのが遅くなってしまう”
さきの遼のメッセージのあと、遼のスマホから巧に音声を流しっぱなしにするようにしたので、男子3人が服を脱いで、亜美羽がまだだと思われることは巧に伝わっていた。巧は状況次第ですぐに部屋に行けるよう、近くに移動していた。
(残りの2人の女子は入らないんだな。部屋に入ると彼女たちが待っているのか)
巧は亜美羽の思惑や彼女の動向を考えながら、杏南と綾音に不審な点を抱かれないようにすることも考えていた。
「さてとっ」
巧の思惑を知ってか知らずか、亜美羽が服を脱ぎ始めた。
亜美羽は特に躊躇することなく全て脱ぎ捨て、タオルを持って浴室に入っていった。
扉が閉まった音を確認して、反対を向いていた綾音と杏南が向き直った。でも、お互い、何と言葉を発していいか分からなかった。
ドアをノックする音が聞こえた。
「どなたですか?」
「広瀬です」
「どうぞ。開いてるよ」
巧がドアを開け部屋の中に入る。
同じ班なのに一人だけ遅れてきたのには杏南と綾音も疑問を抱いていたが
「君だけ遅かったんだね」
「まあ、ちょっとね…いろいろあるのさ」
二人が特に詮索しなかったのは、巧にとっては幸いだった。
「そっちも、もう一人は」
「お風呂好きだからね、いま中にいると思うよ」