普通の高校に女子限定クラスができた理由 150
女子二人は、観察モードに入っていった。
男子は、予想以上の展開に戸惑いを隠せない。
「俺さっき入ったけど、もう一回入ってもいいのか?」
遼の問にも亜美羽は「もちろん」と応える。
亜美羽はユニットバスの扉を開いて中を見ながら言う。
「洗い場に二人、湯舟に二人、でも何とか入れるかな」
基弘が少し考えた後、恐る恐る尋ねる。
「本当にいいのか?」
「うん」
「あとひとり呼んでも大丈夫?」
「もちろん」
亜美羽は疑うこともなく笑顔でうなずく。
巧ですらも亜美羽の反応は予想外に感じていた。
ただ、遼からのメッセージでは「望月さんはこうは言っているが5人同時に入れそうな広さに見えない」と付け加えられたため、巧は多少時間をおいて亜美羽たちの部屋に向かい始める。
そして、勝はおずおずと「じゃあ、入らせて」とバスタオルなどを取り出し、それを合図に他の二人も取り出す。
「なんだ、入る気満々なんじゃん」
満面笑顔になった亜美羽はジャージを脱ぎ始める。
まだ風呂場でもないのにおもむろにジャージを脱ぎ始めた亜美羽に男子一同は思わずドキッとさせられる。
「ん?何?何も着てないと思った?」
「い、いや…」
えんじ色のジャージの下には真っ白なTシャツ。
(望月さん、小柄なのに、デカいな)
「早く入りたかったら準備して」
(透けてる…って、下着付けてない!?)
男子3人の目には明確にTシャツの下の胸の突起が映った。
亜美羽はわくわくするような目で3人を眺めた。
「あ、あの、私達向こう向いてるから…」
綾音が言い、杏南とともに窓側を向いて顔を伏せた。
男子3人は顔を見合わせ、まず、遼から、上半身のジャージとTシャツを脱ぎ去る。