普通の高校に女子限定クラスができた理由 133
「ヤバい、夢にまで出てきた」
「あれだけ知宏くんに中出ししてもらってたらね〜」
「そう言う桃子は3人相手にハッスルしてたじゃん」
「みんなケダモノだったわ」
小声で会話する2人にあさなが苦笑する。
智里と桃子の会話は前列の恋や後列のちなみも聞いていた。
「あの、船山さん…中出し、されたの?」
後ろからちなみがおずおずと質問する。
「あ、うーん、された、とかじゃなくて、お互い、いいか、って思って」
「運動部は結構普段からそんな感じだよ」
桃子が補足する。
「に、妊娠とか、大丈夫なの?」
「私達の部は、だけど、先輩から聞いて、保健室で避妊薬もらってるんだ…松本さん、もし、そういう可能性、あるなら、泉先生経由で頼んでみたら」
「う、うん…」
ちなみは小さく答えると俯いた。
(運動部の人たちってやっぱ考え方が違うのかな。なんかスポーツ感覚でやってるような気がする)
「どうしたちなみ」
愛華が不思議そうに尋ねる。
「なんでもない…」
ちなみはそう言うしかなかった。
そんな感じで、何人かの人にとっては眠いだけだった体育館でのイベントは終わった。
これからお昼に向かってクラスごとにご飯を作っていく。メニューは、こうした活動での定番。カレー。
恋は黙々とタマネギを切っていく。
隣の班では同じくタマネギを切っている男子が涙を流しながら悪戦苦闘している。
その姿をちらりと横目で流し見して、涼しい顔で切り刻んでいく。
「なかなかの腕前ね、紺野さん」
「今日初めてやるわけじゃないですからね」
各班のフォローをしている紗理奈に声をかけられ、軽く微笑む恋。