普通の高校に女子限定クラスができた理由 13
まず目に留まったのはちなみ達のプロフィール。
愛華と涌井茜、それに千葉透子を加えた4人のグループはアニメの聖地巡礼をしたい、という書き込み。
「アニメ好きな女子もいるんだなぁ」
「やっぱりあのクラスだけあって可愛い子ばかりだ」
直樹が上機嫌に言った。
「なあ、直樹、このアニメ詳しいか?」
「一応、知ってるけど、詳しいか、って聞かれると…礼はどうだ?」
「ああ、僕もそんな感じだ。この班にメッセージを送ってみるか悩むなあ」
「まあ、別に、最初から一つに決めなきゃいけないわけじゃないし、深く考えなくていいんじゃないか?」
「そうなのかなぁ」
直樹は画面を下にスクロールさせ、他の班のプロフィールを探す。
「運動部の子もいるのか」
「うーん…合わないと思う、そこはパスで」
「礼はどういう子が好みなんだよ…」
直樹が次に見つけたのは恋の班のプロフィールだ。
「「おおっ!」」
直樹と礼は、同時に、抑えながらも声を上げて画面を見つめた。
「この二人、こないだここに迷ってきた子たちだ!」
「やっぱかわいいなあ…で、この班は何て書いてる?」
礼は画面をスクロールした。
「スイーツ…?」
「ああ、ケーキとかパフェとか、甘いもの好きなんだろう。合宿で行くとこ、果物の生産が盛んらしいからそういうのってたくさんあるんだろうな」
「礼、興味あるのか」
「まあな」
礼は恋たちの班へ返信のメッセージを送ろうと試みる。