スワッピング ハイスクール 96
そして、パン、卵、ソーセージ、サラダ、の朝食を皆で食べた後、恵太と美香は服を着て、たまきたちの部屋を、そしてこのマンションを退出した。
「そういえば、この辺って、学校から近いのにあんまり通ったことなかったね」
「うん…来たときはもう暗くなりかけていたし」
ここは、はだか教育の地域なので、それを受けた一定以下の年齢の人は普通にパンツ一枚で歩いていた。
それを横目に見ながら恵太と美香は、自分たちの寮の部屋に帰った。
寮の部屋に帰り着いた恵太と美香は、部屋の玄関の扉を開けると優子が待っていた。
「恵太くん、美香さん、お帰りなさい」
優子の笑顔を見た恵太と美香は、少し驚いた。
優子はちょっと出かけるところだったようだが、真新しいバッグを持っていた。
「優子さん、そのバッグ、最近買ったのですか?」
「気づいてくれてありがとう。剛に昨日の夕方買ってもらったの」
恵太は、数日前の優子の「私、この前バッグ買ってもらったのいつだったかなあ」のようなセリフを思い出していた。
「優子は俺の妻だ」
剛が、後ろから出てきてそう言って笑った。
すると優子は、自分のお腹を撫でた。
それを見た美香は、優子に聞いた。
「優子さん、もしかして・・・」
「その、もしかしてよ」
すると、恵太が聞いた。
「父親は?」
優子は、恵太を見つめながら言った。
「父親は、あなたよ」
優子は、前回の恵太との行為で、恵太の子を妊娠したのである。
それが昨日、優子の妊娠検査でそれが判明したのである。
「あ…それは、よかったです!」
結構突然の知らせに恵太は一瞬戸惑ったが、すぐに笑顔になった。
「いいなァ。アタシも子供ほしいなア」
亜美が出てきて恵太の後ろから腕を絡めた。
“亜美さんは、流産していてそれ以来子供はいないんだよなあ”と恵太は改めて思い出していた。
「あとでヤロ」
「え、ええ」
「そうだ、今朝、恵理子さんが来たよ」
「えっ?」
優子の言葉に恵太は不思議に思った。特に連絡も無くクラスメートが訪ねてくることはあまりない。
恵太は携帯端末を取り出した。
着信履歴があった。端末を身につけていなかったときで、気づかなかった。
「亜美さん、すみません、ちょっと電話していいですか?」
「いいよ」
恵理子はすぐに電話に出た。
「恵太君、私、恵太君の子を妊娠したんだ!」