スワッピング ハイスクール 10
「新婚の頃みたいだね」
美香の言葉に昔を思い出す。
美香を孕ませようと男達が群がる中、精通を迎えていなかった自分は乱れる美香を見てオナニーするしかなかった頃を、そして精通を迎え美香を孕ませようと無我夢中で美香を愛したあの頃を。
いつから美香がいる事が当たり前になり、忙しさを言い訳にあのストレートな愛情をわすれていたんだ。
「ホントだね」
恵太は涙を流していた。
「ちょっと、泣かないでよ。すぐに生えるって」
美香は恵太を抱きしめる。
「違うよ、ゴメン毛の話じゃないよ。結婚前を思い出して。」
恵太も美香を抱きしめる。
「パパ〜ママ〜、エミとおそろいだね〜」
恵美も二人に抱きつくと、「そうだね〜」と三人とも笑い、それを見ていた先輩たちもつられて笑う。
「さて、のぼせちゃうから上がるか?」
一同は風呂から出た。
「飯ができるまで、寮内とか周りとか探検に行くか?案内するぞ」
剛は服を着ながら、恵太と美香にそう声をかけた。
「ありがとうございます」
「恵美も来る?」
美香が、恵美の体を拭きながらそう訊いた。
「くるー」
そして、すっかり服を着た鈴木一家は剛に案内されて寮内とその周辺を案内してもらうことになった。
「このフロアは、うちと同じように3LDKの部屋が並んでいる」
歩きながら剛が説明した。
落ち着くと、いろいろ声が聞こえてくる。
子供の話声、子供の泣き声、そして、生徒間の、喘ぎ声…
「子供の年齢層って、どんな感じなんですか?」
美香が恵美の手を引きながら尋ねた。
「この寮では、今のところ確かうちのレイナが最年長の7歳。下はもちろん生まれて病院から戻ったばかりの子からいる」
目の前に、恵美と同じくらいの子…多分、男の子…がよちよちと歩いてきた。
「きみ、なんさい」
その子は恵美を指さし、言った。
「2さい」
「ぼくも、2さい、きみ、ともだち。きみ、ともだち」
「ちょっと、昭雄、こんにちはは?」
その子の後ろから、ジャージ姿の女子が小走りでやってきた。
「あっ、どうも〜キミ達新入生だね?アタシは飯島真琴ヨロシク〜。ってか剛っちと一緒って事は剛っちのところなのいいな〜」
ジャージの女子はかなり早口のマシンガントークを繰り広げる。
「始めまして、鈴木です。」
「鈴木さんね。こどもも同い年みたいだしヨロシクね〜」
「こちらこそ、よろしくお願いします。」
美香と恵太は頭を下げる。
「そんな固っ苦しいのいいから。じゃまたね〜」
「パパ、バイバイ〜」
真琴にてを引かれながら昭雄は剛にそう言ってからトコトコ歩いて行った。
「え?」
恵太と美香は小首をかしげながら剛を見る。
「あぁ、昭雄は俺の子供だよ。俺の精子は生きがいいのかこの寮にはあと5人子供がいるんだ。基本的に母親が面倒を見るってのは親父は寂しいよな」
子作りを推奨している今の世の中、夫婦間以外の子供は珍しくも無い。
そして余程の理由が無い限り母親側の家庭の子供として育てるというのが一般的である。
剛のカミングアウトに恵太と美香は驚きを隠せないでいる。
「スゴイですね」
「子供は宝だからな。恵太くんも優子とする時は遠慮しなくていいからな。俺も美香ちゃんとする時は孕ませる気でやるし」
剛はそう言いながら先へ進む。
恵太も美香も剛の子供の本当の意味をまだ理解出来なかった。
共用トイレに大浴場、剛は当たり前のように案内するが、各学年十数世帯が暮らす寮だけあってそれぞれかなりの大きさでぐるっと廻るだけでもかなり時間がかかる。
恵美はすっかり疲れて恵太の背中で眠ってる。
「ここから先は購買部だけどまぁ、今度でいいよな」
恵美だけで無く、恵太と美香も新しい環境に疲れて来たのを感じた剛は部屋に戻るか訪ねる。
「そうですね。ありがとうございました」
戻りながらの剛の説明で購買部とは名ばかりのちょっとしたショッピングモールだと知る。