スワッピング ハイスクール 89
「たまきさん、どうしてそこまで詳しいのです?」
美香は、たまきに聞いた。
すると、たまきは言った。
「えっ、そ、それは・・・、後輩の子からメールとかで教えてくれるからだよ」
「本当?」
さくらも、たまきに聞いた。
「本当だよ。だって情報元は、剛君の奥さんの優子さんからだもの・・・」
それを聞いた美香は、驚いた。
「優子さんから…なんですね」
「うん、そうなの」
美香は、結構寮とクラスだけの生活だったので、その外側の拡がりについてあまり考えたことがなかった。
考えると、みんな同じ高校内の話。世間は、狭い、と美香は改めて思った。
「じゃあ、もしかしてリュウ君、優子さんの第二子のお父さんもご存じなんですか?」
美香は、優子の2人の子のうちリュウは卒業した先輩の子だという話を思い出していた。
「うん、知ってるよ。あたしの同級生だからね。それに優子さんに紹介したの、あたしだから」
「えっ、そうだったのですか?それでその人は、どんな人ですか?」
「優子さんから何も聞いてないの?」
「はい・・・」
「そうなんだ・・・。聞いてないのね。」
「はい。もし、よろしかったら教えて欲しいのですが・・・」
「うん、わかった。でも、あたしから聞いたってことは内緒ね」
「はい。お願いします」
美香は、晃太から離れると、たまきの近くの椅子に座った。
たまきは手元のお茶を飲みほし、おもむろに語り始めた。
「剛君が、何人目かな…のママになる子に夢中だったとき、優子さん、ちょっと寂しそうで。それで、クラスメートで、旅好きの、ちょっと…昔風の言葉で言うと『オタク』っぽい、男子が、出産経験ある子を探していたんで、そいつを紹介して、彼から見ると、子作りバウチャーで正々堂々飛行機に乗れる機会にもなったの」
「飛行機?!」
「ある一定の条件を満たせば、乗れる。優子さんにとっても、ちょっと土日くらい不在にして剛君を不安にしよう、っていう考えもあったみたいで、その話に乗った。それで、北の大地と南の島の選択肢があって…」
「それで、どっちに行ったのですか?」
「南の島よ。優子さん、南の島に行ってみたかったみたいで」
「なるほど」
「それで、彼と優子さん、土日を利用して、南の島に行ったのよ」
「それで、その時剛さんは?」
「剛君は、夢中になってた子の部屋に行ったままで、気付いて無かったの」
「えっ、・・・」
「それで、優子さん、彼と南の島に行った時が丁度危険日で、彼に沢山中だししてもらったみたいの。それで出来たのが、リュウ君なの」