女男×男女 3
「何だったんだろう...見たことない人だったな...何か顔が赤かったから風邪で休んでたのかな?」
そんなことを考えながら臨時委員会を終えて帰ろうと教室に戻ると誰かがいた
今日の完全下校時刻を15分も過ぎている。いるとすれば図書委員の誰かだが真希のクラスに図書委員は真希しかいない
不審者だろうか、机を見て回っているから机を直しに来た先生だろうか
そしてある一つの机の前で止まった。
真希は思い切って声をかけた
「なにをしてるんですk....あ、さっきの!」
驚いて声をあげてしまったが先ほどの男子生徒が教室にいるだけだった
「! さっきの...確か美山だったか...自分の教室にいちゃいけないのか?」
なんと同じクラスでもあった
先ほどはぶつかって動揺したこともあってよく聞き取れなかったが男子にしては高い声だ
「あの、僕は図書委員の仕事で遅くなったんだけどあなたはどうしてここに?」
「.....別に、ただ自分の荷物の整理をしてただけだ。....遅刻したからな」
そういうとその男子はカバンを持って教室から出て行った
「無愛想な人だったなー....さて、僕も帰ろっかな♪」
カバンの用意をしているとき なんとなく気になったのでさっきの人がいた机ーーーー
自分の隣の机をみると
そこには確かに 「刃山 夏樹」と書かれたシールが貼られていた
(僕と歩美は隣同士の席 但し...)
[モブ][歩美]通[真希][??]
[モブ][モブ]路[モブ][モブ]
(こんな感じ....)
「ただ、あまり悪い人には見えなかったけど....」
(まあ、明日聞けばいいか)
翌日
「まあ、予想はしてたよ 来ないってことぐらいは」
「真希ー どしたの? まさか刃山なっちゃんの事でも考えてたの?」
(すごい洞察力。さすが歩美 そこにシビれも憧れもしないけど)
「というかなっちゃんって...そんな清涼飲料水みたいなあだ名付けるような人じゃないでしょ?」
「へへへ、本人がいなければ何を言っても怖くないんだよん」
(まさに外道。陰口を正当化してるし)
「まあ、鬼の居ぬ間に洗濯っていうし、気楽にいこうよ真希」
「そうだね。どうせ不良だからこないでしょ....」
噂をすれば影 という言葉がある 人の噂をしているとその現場に本人が現れる ということである
たとえそれが 不良であろうと
「......」
彼が入ってきた瞬間 まるで時が止まったかのように思えるほどの静寂に包まれた。
「.....出席を取るぞ。浜田からだったな...刃山!! 」
「.....................」
「おい刃山 聞こえてるのか!!!」
「......るせぇな」
彼が 口を開き暴言を吐く。 当然林田は怒り出す
「教師に向かってその態度は何だ!!全く反省してねえな!!!」
「....名前を勝手に決められた八つ当たりを俺にするな」
そういいながら 僕の隣に彼は座る
「となりは美山か...よろしくな」
「うん、よろしく.....」
正直いってそこまで怖いとは思わない。 怒らせなければいいのだろうか?
それにしても無愛想な人だなぁ
「無愛想....か 」
いつの間にか口に出ていたのだろうか 彼が少し落ち込んでいるように見えた