オレはサイボーグ 2
「おい、大丈夫か?」
向こうから誘ってきたと言ってもタイミングを考えれば、おそらく改造が原因なのだろう。
自分の顔立ちのおかげだなんて言えるような顔をしていないのぐらいは自覚している。
「あぁん!王子様〜ん」
今度は目覚めるなり抱きついてきた。
「は?王子様?オレが?」
なんなんだ今日は…
改造された次は王子様?
さすがにいつまでもトイレってのも間抜けだし、何よりさっきまでの事を思い出して恥ずかしい。
とりあえず同じ公園のベンチに場所を移して話をする事に。
「コレでいい?」
ベンチの前にあった自販機で紅茶を買い彼女に渡す。
「あっ、ありがとうございます」
彼女はそう言うと微笑む。
「あのさ、いまさらなんだけど、オレは不破勇っていうんだ、キミの名前教えてくれないか?」
彼女の隣に座ってスポーツドリンクのフタを空ける。
「勇様って言うんですね、カッコいい名前。ワタシはミミ。魔法使いです」
「ミミちゃんか、あの…いきなりHしちゃった上に中に出しちゃってゴメン……って、へ?魔法使い??」
なんだ?魔法使いって…
オレの能力じゃなくってミミちゃんが電波なだけなのか?
「そんな、謝らないでくださいワタシが勇様を誘ったんですから、それに中に出さなきゃ赤ちゃんは出来ませんよ?」
「いやだから…赤ちゃんはマズいでしょ」
「なんで?赤ちゃんが欲しいからHするんですよ?」
「そんなの責任もてないよ」
「大丈夫ですよ」
「どうして?」
「ワタシ魔法使いですから」
と、いまいち噛み合わないやり取り。
まぁ、彼女がイイって言うならイイか?
ご厚意に甘えて責任云々の話はやめよう。
その後は適当な話をしてから、ミミちゃんと別れた。
このままでは、マズイ…
すぐに取り返しのつかない事態が起こる。正直まだ顔も見たくないが、改造した本人に色々確認しないと…
オレは家に帰ることにした。
「ただいま〜」
オレが家に帰ると、母は何もなかったかのようにオレを出迎えた。
「お帰り」
「お帰りじゃないよ。オレの身体はどうなってるんだ?」
「どうなってる?朝言ったでしょ、私の性欲を満たすように改造したって。さすがにそれだけじゃ可哀想だから、フェロモンを強くしたりと勇にも恩恵がるようにしておいたわよ。」
まるで感謝しろとでも言いたそうに母は言う。
「なんだよそれ、実際効果は体感ずみだから改造は事実なんだよな。ってか、改造ってなんだよ。そもそも、子供の身体を勝手に改造するか?」