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MC勇者
官能リレー小説 - ハーレム

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MC勇者 15

「しっ!王様、見張りが来ます」
「勇者って言ってんだろ」
溜息を漏らしながら俺は、右手に嵌めた黒い手袋の具合を確かめるように何度か握る。
「なんですか、それ?」
「秘密兵器その1。だから言わない。教えない。柚、相手を捕まえきれるか?」
「ご命令ならば」
「なら命じてやる。捕まえろ。そして俺のところまで連れて来い」
「了解」
柚が闇の中に消えていき、数分後、一人の兵士を連れてくる。鎧の格好から普通の兵士。顎を軽くなでて考えるが、まぁこの程度が迷惑をかけないか。
「どうするんだ?」
「どうもしない、と思うか?」
「いいや、だから聞いてるんですよ」
「こうする」
俺は軽く拳を握り締め、兵士の顎に向けて殴る。浅葱や聖女騎士団長リリーナだったら、頚骨でもへし折るぐらいは出来るんだろうが、生憎、俺は普通の人間。少しの脳震盪しか起こせない。でも、それで十分。
僅かに崩れかけた兵士はすぐさま立ち上がり、そして虚ろな視線を向ける。
「?」
「そんじゃ俺はこいつと一緒に行くから、もう二人は帰ってもいいぞ」
「はぁ?」

突然の帰れ発言にヴィルと柚は、理解できないといった様子で間の抜けた声を上げた。
まぁそれも当然だろう。オレは一国を支配する男であるが、この催眠術の力以外は何のとりえもないんだから。
正気に返った面々は、すぐさまオレに反論してきた。

「だ、ダメですよ、そんなの!?敵陣にご主人様をおいてくなんて!?」
「ご主人様。貴様が死んでくれるのはうれしいが、一度自分の非力さというものを思い出したほうがよろしいかと」
「大丈夫だって。ほれ、敵の兵士さんもこのとおり、オレのお人形さんなわけだし。
 それとヴィル、おまえ後でおしおきな」

オレは兵士の腕を背後からつかんで、操り人形よろしくぷらぷらともてあそぶ。
兵士は相変わらずのうつろな瞳で、オレのなすがままになっている。

「大丈夫だって。コイツを使ってここのお偉いさんたちを洗脳してくるだけだし。
 いざとなったらコイツを盾にするからさ」
「ダメですっ!」

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