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MC勇者
官能リレー小説 - ハーレム

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MC勇者 12

二人の淫靡な水音――若干一人は違う―――を聞きながら俺はベットから立ち上がり、部屋の片隅にある机に座る。そして引き出しから一枚の手紙を取り出した。
中身は密偵からの報告書。
別段、珍しいことじゃなく中身もそれほど驚くないようじゃない。
「予想通りっていえば、予想通りだな」
王権争いにならないように遠方で暮らしていた元国王の妹の息子――つまり正統継続者の反旗。
「あのボンクラがよく発起なんてしたな。適当に女や金をみつくろってやったのに」
王都にある幾つかの娼館の中でも男を堕落することに長けた女達を息子ー―ノルゼクスに送っていたんだが、よほど、身内の中に有能な奴がいるらしい。
「面白いな」
西王都の北は魔族たちが、東は和国が、南には蛮族達が作り上げた盗賊国がある中、西が氾濫を起こすとなると、この大陸を全てを巻き込む大戦争になる。へたすれば他の大陸の干渉もありえるかもしれない。
そうなった場合、どれほどの被害が出るのか、そしてどれほどの利益が生まれるのか。
何よりこの戦いに勝てば他国の美女、それも巫女王、魔王と本来ならどれだけ欲しても手の届かない女を手にすることができる。
それはオレにとって何よりも有益で重大なことだった。
そうなるとどこからどうやって問題を解決していくかが大事なポイントになってくる。
どの問題を解決しても、1つ解決したとたんに他の問題が山積みになって迫ってくるからだ。
かと言って放置していても、結果は同じだ。
さてどうしたものか・・・。ヴィルと淫乱王妃の喘ぎ声と2人の奏でる水音を楽しみながら、オレはしばし黙考する。
そしてオレは自分でもわかるくらい、悪役丸出しの笑みを浮かべる。
そうだ、1つずつ片付けられないならまとめて片付けてしまおうじゃないか!
しかしそのためには戦力が足りない。情報も時間も何もかも。

「おい、ヴィル!淫乱王妃!おまえらいつまで遊んでるんだ!
 ちょっとおまえらに頼みたいことがある!
 それと聖母騎士と魔母長、5人の傭兵と7人の忍者たちも呼んで来い!」

自分たちだけでなく主要な戦力の召集に、王妃もヴィルも何かを感じて大きく動揺する。
だがオレはいまだかつてない高揚感に、興奮が収まらなかった。
ふふっ、見てろよ、おまえたち。全世界ハーレムの野望を抱いた男のすさまじさをなぁ!

――――

それから西王都はちょっとした騒ぎになった。
オレの命令により、戦力の大編成が行われたためである。
まず聖母騎士率いる騎士団は自国の防衛。
魔女長改め魔母長たち暗部は、ボンクラ王子の勢力の情報収集とかく乱。

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