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神に愛されし異端者
官能リレー小説 - ハーレム

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神に愛されし異端者 2


「はぁー」
 ベッドに横になると、リオは大きな溜め息をついた。
「思った以上の田舎だ……」
 王都の規模は帝国の地方の町程度。王宮は帝都の富豪の屋敷よりも劣っていた。
「どうしよっかな、これから……。真面目に布教する義理は無いし」
 目を閉じると帝都の人混みが浮かんでくる。もう戻ることの出来ない故郷。
「帰りたい」
 コンコン
 ノックの音で見えていた景色が消え去る。リオは仕方なく目を開けた。
「はい、どうぞ」
 立ち上がって服を整え、ドアが開くのを待つ。
「失礼します」
 入ってきたのはリオと同じくらいの年頃の女性だった。
「何のご用でしょうか」
「えっ……」
 リオが来訪の理由を聞くと、女性は困ったような顔をした。
「陛下からゾラック様のお相手をするようにと……。あと、身の回りのお世話も仰せつかっています」
「それはどうも、よろしくお願いします。……名前を伺っても良いですか?」
 リオが笑いかけると、女性はホッとしたように微笑んだ。
「セシリアです。……ベッドに座らせて貰ってもよろしいですか」
「ええ、どうぞ」
 リオの返事を聞くと、セシリアはベッドに腰掛けた。
「ゾラック様は非常にお偉い方だとお聞きしています」
 リオに向けられた純粋な尊敬のまなざしに少したじろぐ。権力者として腐敗しきった帝都の神官には決して向けられる事のないまなざしだった。
「ゾラック様は神の言葉が聞こえるのですよね」
「ええ」
 笑顔でそう返したが、リオの心の中に罪悪感が渦巻く。そんなもの、聞こえるはずがない。いや、開祖レイザや高名な聖人たちには聞こえていたのかも知れない。だが、今の腐敗した神官に聞こえるはずはなかった。そもそも神官試験からして、どれだけ上手く聞こえたふりが出来るかというものなのだから……
そうしていると… 
我が信徒リオ・ゾラックよ。何を悩んでおる
と囁く声がする

我、レイザ以来の啓示を授ける
今や我が教えの総本山リンゼルロック教会は腐敗しておる 
我の真の教えを汝がこの地より広めるがよい

汝の為したいように為すがよい欲望を認めろ
ハーレムを作り上げ産めよ。増やせよ。地に満ちよ。
を忘れるな。 

我の加護がついておる
と囁く声は言った。

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