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アンドロイド育成計画
官能リレー小説 - ハーレム

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アンドロイド育成計画 7

年俸500万でこの特許を、ハセガワコーポレーションが得たのは安い買い物だったと翠は思っている。
ハセガワコーポレーションは工業用ロボットのプログラムや製作を行ってきた歴史があり長谷川重工という社名から、翠が社長に就任したときに今の社名に変更した。
(個人で特許を取得していれば、よほどの散財をしないかぎり安泰だったでしょうに)
特許権の維持費用など、かなり高額になる。
アンドロイド開発のベースになるロボットには、かなりの技術が使われており、それに関係する特許の数はかなりある。
ハセガワコーポレーションは先代社長、現在の会長の長谷川基樹が初期型アンドロイドの開発に着手している。
アンドロイドのベースとなるロボットには、工業用のロボットの技術が使われている。
そのため、他の企業は人口皮膚や音声プログラムなどの分野の開発を行い特許を取得している。
性処理用アンドロイド、娯楽用のダンサーアンドロイド、どちらにしても製作販売するためには「ハセガワコーポレーション」に金を払うことになる。
某大国の軍事用ロボットプログラムをヒントに、拓巳はアンドロイドに手こきをさせるプログラムを開発した。
そのため、どの企業もその技術の特許をまだ取得していなかったのである。
軍事用ロボットの銃のトリガーを引く指先の動き、手榴弾を投げる腕の動き、爆弾処理の複雑な配線を切断する動き、それらは工業用ロボットとはまったく異なるプログラムで作動していた。
軍事用ロボットは工業用と同じプログラムであれば、バグで誤作動させるウイルスプログラムに対抗できなかったからである。
アンドロイドは、ひとつの製品が完成するまでに、すべて自社製とはいかない。
ハセガワコーポレーションは本体の設計やプログラムを、部品や組み立ては電気機器メーカー、人口皮膚の製作と装着は医療用品メーカーという過程がある。いつどこでプログラムに改竄が加えられても不思議はない。安全面に対する販売される前のチェックはあるが、プログラムチェックのプログラムを逃れる改造プログラムもありえる。
ベースとなる工業用ロボットのメーカーは、ハセガワコーポレーションだけではない。
しかし、アンドロイドの動作性能が製品に求められてくれば、製作できるのはいくつか技術力のある企業にしぼりこまれてくる。
当たり前だか、プログラムがなければロボットは作動しない。
機械部品ではなくプログラムが機動性のかなめとなれば、そのプログラムの権利をハセガワコーポレーションが独占できれば、アンドロイド製品では他社より優位に立つことができる。
工業用ロボットのシェアでトップだった時代は終わり、現在は海外メーカーに負けて三位のハセガワコーポレーションだが、海外メーカーのアンドロイドよりも価格が高めでも、基本性能が桁違いに優れた製品ならば、いずれアンドロイド業界のトップとなるのも夢ではない。
日本ではアンドロイドを趣味の玩具のような認識もあるが、世界では動物型のペット用アンドロイドが販売されて売れ行きがのびはじめている。
あと五年もすればアンドロイドペットブームが日本でも始まると翠は予想していた。
海外製ペット型アンドロイドの次は人間型アンドロイドのブームを狙うチャンスがある。
海外メーカーが高性能のアンドロイドを製作するときにも、ハセガワコーポレーションが特許を取得しているので、利益か生まれる。翠にはアンドロイドへの強い思い入れはないが、拓巳のプログラムは未来の栄光へのゴールドチケットだと確信している。
もし、医療機器メーカーが先に拓巳の開発したプログラムの特許を押さえていれば、工業用ロボット技術で作られた義手はたやすくピアノを弾きこなすだろう。装着すれば本当の手よりも器用な手先を得ることが可能になるはずである。

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