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アンドロイド育成計画
官能リレー小説 - ハーレム

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アンドロイド育成計画 3

手こきができるアンドロイドがこうして誕生した。
青年はこの手こきプログラムの開発成功をいくつかのアンドロイド製作販売している企業に「買い取りませんか?」と連絡した。
青年の名前は工藤拓巳(くどうたくみ)、のちに「アンドロイドの父」と呼ばれる男である。
ハッキングして日本にはないメインサーバーの無断使用もふくめ、自力で特許取得は難しいと拓巳は考えた。
完成したプログラムの保存処理はアンドロイド初期型のロボット、つまり、造形は精巧なラブドールや球体人形だが、内部のロボットが現在のものよりも優れている機体なら問題なく、また一度インストールした機体と別のインストールされていない機体へのプログラムコピーと転送ダウンロードも拓巳は可能にした。
もちろんこれは企業側には隠しておいた。
企業側としては手こきプログラムが自社製品で実行可能かということに注目した。
一年後、販売された製品は手の動きに若干のぎこちなさがあるが、話しかけると微笑する機能が「アンドロイドコスプレイヤー」たちに人気が出て、販売したメーカーの株価は急上昇した。
拓巳は技術開発部長として入社時から役職待遇で迎えられた。三年間の契約社員の役職という異例の人事に「あいつは何者だ?」と社内の噂となった。
「部長、今夜も泊まりですか?」
「あ、うん。表情のモーションのバージョンアップをしたいと思って……」
拓巳が連絡した企業のうちこの「ハセガワコーポレーション」だけが、拓巳の開発したプログラムに着目して買い取りに応じた。
他の企業は性処理用アンドロイドではなく「歌って踊れるアンドロイド」の開発に着手しておりアンドロイドの表情はそのままで工業用ロボットの技術を活用した内部ロボットの改良を計画していた。
「性処理用アンドロイドの時代は終わった」というコンセプトを掲げていたのである。
拓巳はその時代の流れと逆行する性処理用アンドロイドの改良に熱意を燃やしていた。
「ハセガワコーポレーション」は「歌って踊れるアンドロイド」に表情プログラムを有料配信することで、さらに業績アップを狙っていた。
手こきプログラムをコピーダウンロードするためのパスワードを、入社半年でまだ契約金で貯金がたんまりある拓巳は隠していた。
コピーダウンロードできれば「ハセガワコーポレーション」の商品プログラムを購入しなくてもいい。
(まあ、誰かが試してみたらできた、なんて言い出してすぐ拡散されそうだけどな……)
性処理機能がないが、より動作がしなやかになったアンドロイドに「表情」をくわえる企画を拓巳は任され、プログラム開発に熱心に取り組んでいるかに見えた。
だが、拓巳が開発中のプログラムには「じと目で不機嫌そうな顔を赤らめる」である。
企画書には「踊って少し疲れたので休憩したいときの表情」となっている。
わずかな発汗は、しっとりとした手ざわりを実現するために初期型アンドロイドの人口皮膚には搭載されていた。

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