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孕ませ退魔士
官能リレー小説 - ハーレム

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孕ませ退魔士 8





一方、鈴花はと言うと。
彼女はひとり、明かりもつけずに寮の大浴場へとやってきていた。
その理由は千尋と同じく、火照った身体を落ち着かせるためだった。
しかし胸の奥でくすぶっていた恋心は静まるどころか、どんどん熱を帯びていき。
今や石炭のごとく、カミナを求めてしまっている。
否。カミナに自分のすべてを捧げてしまいたくて仕方がなくなっている、と言うべきか。
彼女はいわゆる、好きな異性に尽くしたいタイプの人間だった。
だからこそ校長からカミナを紹介されたとき、あの手この手でご奉仕しようといろいろ考えていたのだが。
カミナの性技はすさまじく、これまで何一つ奉仕することができなかった。
まあ無理もない話だ。
相手は何人もの子供を作り続けている性の大ベテラン。
対する鈴花は知識だけは豊富な、頭でっかちの処女。
バナナやおもちゃでどれだけ練習していても、その歴然たる経験値の差はいかんともしがたい。
そんな彼女が唯一、カミナを喜ばせられる(と思っている)こと。
それは―――
「・・・今日、私は先生の子供を宿すことができるのでしょうか・・・」

愛する男の子供を宿すこと。
カミナは何だかんだ言って、巧みに彼女らを妊娠させないようにしているが、実はけっこう子供好きだ。
次世代の退魔士育成も大事だが、彼ならば素質の有無など関係なしに我が子の誕生を喜ぶことだろう。
これは鈴花たちの協力者にして、カミナの妻であるセシリアからもたらされた情報。間違いはないだろう。
カミナの子供好きを知って以来、彼女はいついかなるときでもその期待に応えられるように万全を期してきた。
しかしいくら食事や運動に気を使い、孕みやすい体質にしたとしても常に100%妊娠できるわけなどなく。
今日まで鈴花は悔しい思いをしてきた。
そして今夜の襲撃(夜這い)こそが、カミナの子供を宿す最大のチャンスと言うわけだった。

・・・ちゃぷん・・・

誰もいない大きな風呂に入っていた彼女は、おもむろに見事なほど大きく育った果実と、生まれて初めてその機能を使うことになるであろう下腹部に手を当てた。
すでに痛いくらい硬くしこった乳首。
風呂で程よく温められ、着々と妊娠の準備を整えている子宮。
準備は抜かりなく進めている。
なのに、どうしても不安がぬぐえない。
自分はこの機会をちゃんとモノにできるのか?
先生の子供を妊娠できるのか?
それ以前に先生を喜ばせることができるのか?
不安が次から次へと湧き上がって止まらない。
なぜなら鈴花は尽くす女。カミナに幸福になってもらいたくて仕方のない、不器用な女である。
他に彼女が自信を持って尽くせることがあるならば、こうも不安になることはないだろう。
しかし退魔士としても、男と女としてもすべてにおいてカミナは1歩も2歩も先んじんている。
カミナの子供を宿すことは、彼が喜んでくれると知ったが故の行動。
それだけが彼女にできる精いっぱい。
だから鈴花は不安になる。他にできることがないから。
恐れ、迷う鈴花。
しかしそんな彼女の救い主は意外とすぐ近くに来ていた。
突然暗闇に包まれた大浴場の明かりがついたかと思うと、湯煙の向こう側から何者かが入ってくるのが見えた。

「あれ?春野先輩?明かりもつけないで、どうしたんですか?」

八神奈緒。同じ男の女となる、最後の少女が大浴場にやってきたのである。

「奈緒ちゃん…」
「えへへ。隣、いいですか?」
そう笑いながら彼女は鈴花の隣にやってきた。
一年後輩で生徒会書記。その見た目で三人の中では妹的立ち位置にいるこの少女。
ツインテールにしているベージュの長髪は、湯に入るためか今はお団子状になっている。
そのせいで、今まで以上に幼く見えてしまう奈緒に鈴花はクスッと笑った。
「何ですか?」
「ああ、ごめんなさい。今の奈緒ちゃんの髪型が可愛かったからついね」
キョトンとする彼女に鈴花は笑みを浮かべながらそう答える。

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