僕は決して強くはないから 6
「若様、そこもしっかりお元気になっておられますね」
「嬉しいです…私たちを女として見て下さっているんですね」
紫乃も明日香も少し頬を赤くしながら、僕の股間を見つめ微笑む。
そりゃ2人とも美少女で完璧なボディの持ち主で…興奮しないわけがない。
しかし肝心のソレのサイズが…僕はまったく自信が持てない。
たとえ童貞喪失できたとしても女の子を満足させられるかなんて…自信の欠片もない。
「いつまでもここにいるのもなんでしょう…若様、お風呂に入りましょう」
二人に連れられて入ったお風呂は、どこかの温泉の大浴場みたいな広いお風呂だった。
大きな洗い場とこれまた大きな湯船。
そして大きなサッシガラスの向こうには露天風呂まであるのだ。
「・・・旅館か何かしてるの?」
「いえ、これは若様専用のお風呂でございます」
これが僕専用って・・・
大きすぎるお風呂に僕は呆然としながら笑うしかなかった。
「さあ、お身体を洗いますわ」
今度は紫乃が僕を軽々と抱き上げて、そして膝の上へ・・・
背中に当たる柔らかい膨らみにドキドキしちゃう。
「では失礼します」
明日香は大きなおっぱいに石鹸を塗り始めた。
え・・・それなんてエロゲ・・・
そんな言葉が脳裏をかすめる僕の想像通り、明日香は石鹸まみれのおっぱいを僕の身体に押し付けてきたのだ。
「はうあぁ・・・」
プリプリの弾力おっぱいの感触だけで、ちょっと達してしまいそうだった。
紫乃が僕の身体を後ろからしっかりと支え、明日香が正面から自分の胸を使って僕の身体を満遍なく泡で覆っていく。
「如何ですか、若様」
「う、うん…こんなの初めてだよ」
「ご満足いただけたら嬉しいです」
いや満足といいますか、ある意味…僕の下半身が…
「では私はお背中を」
今度は紫乃が自分の胸を泡まみれにして僕の背中に押し付ける。
僕を膝に乗せてるから動きは少ないけど、二つのおっぱいに挟まれた僕は、もうどうしていいか分からずおろおろしてしまっていた。
そりゃそうだ。
かつてお母さんと七海ちゃん以外の女の人と話した事がない僕だから、こんな風にされてもどうしたらいいか分かる訳なかった。
「若様には、こうされる資格があるのですよ」
「私達は若様にご奉仕できて幸せです」
紫乃と明日香は嬉しそうにそう言う。
「それは、僕が柳瀬家を継ぐから?・・・こんな僕でも柳瀬家を継ぐ人間だからいいの?」
僕のそんな問いに二人は微笑む。
そもそも彼女達に嫌がる素振りなんてなかったし、むしろ喜んでやってるようには見える。
それでも聞いてみたかった・・・
「逆ですわ・・・若様だから柳瀬家を継ぐ資格があるのですよ」
「お屋形さまは単純な血の繋がりだけで若様をえらんだのではないのですよ」
一体僕にそれだけの価値があるのか・・・
全く分からないけど、彼女達は僕の価値を認めてくれたみたい。
何だか、こんなに大事にしてもらったのは生まれて初めてだったので涙が溢れてきた。
そう言えばそうだった。
父親であるあの人は厳しかった。
お母さんは優しかったけど、あの人の前では庇ってくれなかった。
武道をやらされたけど、全く駄目であの人にはよく殴られた。
読書が好きだったけど、勉強に関係無い本は駄目でテレビも許して貰えなかった。
成績は悪くなかったけど、トップ以外は許してくれず百点以外だと殴られた。
よく体調を崩したけど、それでも殴られた。
お母さんが看病したら殴られたから、学校の保健室で寝てないといけなかった。
だから、虐められても当然だったかもしれないし、小中学生の時も軽い虐めはあった。
その虐めの事実をあの人が知った時、抗議してくれるどころか『お前が弱いから悪い』と殴られた。
まるで憎まれてるような扱い・・・
いや、多分憎まれてたんだと思う。
それなのに、ここに来てこんな美少女が優しくしてくれる。
今までの僕の人生は何だったんだろうと、本当に涙が溢れてくる。