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◇◇◇ 淫蕩聖伝 ◇◇◇
官能リレー小説 - ハーレム

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◇◇◇ 淫蕩聖伝 ◇◇◇ 10

だがそれから人類が北大陸の南岸に追い詰められ、ついに北大陸の領土維持を諦めて完全撤退するに至るまでに数年と掛からなかった。
それまでも対亜人種や人間同士の戦争が無かった訳ではない。
しかし魔族はそれまで人類が相対して来た敵とは各段に違っていた。
それから魔族と人類の果てしない戦いの歴史が始まった。
人類の諸国は幾度となく連合軍を組織し、魔族に奪われた領土の奪回を試みた。
それは時には成功し、時には失敗した。
成功した時は北大陸の一部に人類の国が出来た。
逆に失敗した時には西大陸や東大陸の北岸を奪われた。
そうやって一進一退を繰り返し、現在は海を隔てて人類は魔族と対峙している状態である。

 * * *

「…人類の諸国を中心に立ってまとめてるのが教会なんだ。国同士だけだと利害関係なんかがあってなかなかまとまれないからな」
「へぇ〜…だからそういうしがらみと無関係な宗教団体がリーダーシップ取ってんだ…」
そのためには神の権威という抽象的な物だけではなく現実的な武力も必要という訳だ。
また神官には各地の神殿に巡礼に来る人々を盗賊やモンスターなどから守る役割もあるという…。

「…お、そんな話をしてる間に見えてきたよ」
そう言ってディオナは遠くを指差した。
いつの間にか森は抜けており広く見通しのきく所を歩いていたのだ。
彼女の指し示す先に城壁に囲まれた街があった。
「おぉ!ファンタジーっぽいファンタジーっぽい〜!」
望のテンションは上がった。
「ふぁんたじい?…何だか良く解らんが城塞都市ぐらいでそこまで喜ぶとは珍しいな」

二人は城門をくぐって街の中に入って行った。
検問などは特に受けなかった。
ディオナは説明してくれた。
「…このアルトの街はこの辺では一番大きな街だ。お前は行く宛ても無いようだし、仕事を探すにはちょうど良いだろう。腕に覚えがあるなら冒険者ギルドに登録して冒険者になるか、軍に入隊して兵士になれば良い。そうでなきゃあどっかの職人に弟子入りして住み込みで働きながら技術を身に付けるも良し、日雇い仕事をしながらその日暮らしをするも良しだ…」
だが望はディオナの説明の半分以上は耳に入っていなかった。
周りの景色に目を奪われていたからだ。
特に道を行き交う人々の顔ぶれに見入っていた。
半分以上は人間だったが、中にはエルフ、獣人などの亜人種も見られた。
人種だけではない。
職業にしても戦士、魔導士、魔法使い、武術家、神官、踊り子、商人、職人、兵士、町人、乞食…挙げていけば切りが無い。

「…い!おぉーい!聞いてるのかぁ〜?ノゾム〜?」
「…はっ!…あぁ、いやいやもちろん!…えっと…冒険者ギルドか軍だっけか?」
「ああ、そうだ。今この二つの組織は両方とも魔族との戦いに向けて動いてる。別々にだけどな…」
「ダメじゃん。官民の協力がなってないなぁ〜…よし!俺は冒険者になるぞ。軍って何か堅苦しそうだしな」
「そうか、冒険者ギルドはこの道まっすぐ行った突き当たりだよ」
「おう!…ディオナは?」
「私はここまでだ。この街に古い友達がいてな、そいつに会いに行こうと思ってる」
「なぁ〜んだ、本当にここでお別れなのかよ?『しょうがないヤツだな。私が仲間になってやろ〜』とか期待してたのによぉ〜」
「ハハハ…甘えるな。ここまで面倒見てやっただろう?こっから先はお前一人で頑張れ」
「ハハハ…冗談だよ。ありがとなディオナ!感謝してるぜ」
「おう、ノゾムも冒険者なら縁があったらまた会おう!」
という事で二人は別れた。
(次会ったら絶っ対ヤってやっかんな!!)

「彼は無事たどり着きましたか…あのディオナなる女性には感謝しなくてはなりませんね。しかし、これからがノゾムにとって大変ですね」
石造りの神殿風の建物の中で、ある部屋の中に望の姿が映っていた。
アルトでディオナと別れたところだ。
映像を見ているのは、白い空間で望とセックスして、神力を分け与えた戦乙女だ。
鎧を脱ぎ、平服姿の彼女は安堵していた。
同時に自らの腹を撫で、慈しむとともに悩む。
「神力を分け与えた影響がここまで出てしまうとは…一切の避妊魔法を受け付けないなんて」
すると、横にいた女性が声をかけた。戦乙女と似た顔立ちで、おそらくは姉妹だろう。
彼女も妹に劣らぬ美しい顔立ちとスタイルを持っていた。
「仕方ありませんよ。それに貴女とて、そろそろ子を為すべき時期。異界の光の子供を授かったのだから、喜ばしいことですよ」
「姉さま、私はもう少し戦乙女として現場で働きたかったのです」
「私は甥か姪ができるのが嬉しいわ。それに、産休に入るまでは貴女もノゾムに付いていてあげるのでしょう?」
戦乙女はこくっと頷いた。
「では旅支度しなくてはね。これから私達、忙しくなるわね」
「申し訳ありません。姉さま、後の事はお願いします」
「あら、何を言ってるの?私も行くのよ」
「どうして姉さままで?」
同じく戦乙女の姉の言葉に、妹は驚いて尋ねた。
「私も、もう一度下界に降りて戦うよう勅命を授かったわ。それにあなたは身重。途中で一度戦列を離れなくてはならないでしょう?」
「それはそうですが……」
「それにあの子……」
姉はそこまで言うと、面白そうに笑みを浮かべた。
妹はそれをみて、望が姉の好みに合ってしまったと気付いた。


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